『一般常識のないいつまでもうだうだしている男のブルース』
おいらこの作業所が始まって以来ずっといるのさ
おいらの第一印象は出来る人なのさ
だけど仕事が遅い、空気が読めない、話しが一方通行の三拍子が揃っているのさ
おいら一時期休みすぎて所長の名前すら忘れてたのさ
おいらプラスチック検品の時の小さな点が気になって気になって仕方ないのさ その上おいら掃除もまともに出来ないのさ にも関わらずおいらスタッフへの注文は一丁前にするのさ
おいら礼儀正しいとよく言われるが、本当は演じているだけだけなのさ
おいら常人離れした観察眼を持っているのさ その上現代的価値観も確立しているのさ でも鋭すぎて空気が読めないのさ
おいらの食べ方は下品なのさ
おいら自分からは話し掛けないのさ 相手から話し掛けてくれれば、その事はおいらが嫌われていない証拠になるのさ
おいら好きな人と話すとストレスになるのさ
おいら一人からでも嫌われれば会社を辞めなければならないと考えている極端な考えの持ち主なのさ
おいらきっかけがないと就活はしないのさ そもそもおいらハローワークというのが何なのかすらわかってないのさ けれどもおいら一般就労にこだわっているのさ
おいら今の作業所でスタッフになりたいと思っているが、客観的に見てその実力はないのさ
おいら友達も恋人もいないのさ スマホに登録してある連絡先は親と作業所だけなのさ
そんなおいらでもいつかは親に頼らず、自立した生活を送りたいと思っているのさ
そして言われたのさ
だからどうした
さっさと動き出せ