告白
そして僕は屋上の扉を開けた。
そこには1人の人影があった。
僕は不思議に思ったなぜならその人と接点があまり、いや、ほぼないからだ。なにせ、今日初めて会ったのだから。
「驚いた?ごめんね呼び出したりして」
目の前の彼女、笹原さんはそんなことを言った。
「呼び出されたことは別にいいんだけど、どうして屋上に?」
「それは、私が今から君に告白をするからだよ」
「え」
そんな素っ頓狂な声を僕はあげた。
そりゃ誰でもそんな声を上げたくなる、転校してきた子からそに日のうちに告白をされるのだから。
「私は山田君のことが好きです。付き合ってくれますか。」
彼女はそう言った。ちょうど夕暮れ時だったので彼女はとても綺麗に見えた。
しかし、
「ごめん、僕にはその気持ちに答えられないよ。」
とても心苦しかった。彼女からの告白を断ってしまったからだ。
それでも、僕には好きな人がいるその人がいる限り僕の心は変わらないだろう。
「そっか、降られちゃったかー。でも私諦めないからね」
そう言い彼女は階段を降りた。正直今もまだドキドキしている、初めての告白だった。
そんなドキドキを胸に僕は家へと帰宅した。
翌朝、僕は学校へ行こうか行くまいか悩んでいた。
「学校に行ったら絶対気まずくなるよな」
僕は昨日の告白のせいで夜、一睡もできなかった。それぐらい昨日の告白は僕にとって大きなものだった。今でも思い出すだけで心臓が激しく鼓動する。結局親に行けと言われたので学校へ行くことにした。
「気まずい」
昨日のことをがあり僕は彼女と目を合わせられなかった。時々妙な視線を感じるが多分彼女からの視線だろう。
本日はしゃべる友達がいない+白石さんが休みなので僕はぼっちだった。
そこへ喋りかける1人の少女がいた。
「おはよう、山田君。今日はいい天気だね。」
「おしゃべり初心者かな?」
「君には言われたくないな」
つい突っ込んでしまった。今考えると気まずい。そう、何を隠そう喋りかけてきたのは昨日僕に告白をした笹原さんだったのだ。
「すごいな、降られた相手に喋りかけられるなんて」
「言ったでしょ、諦めないって」
確かに昨日笠原さんはそのようなことを言っていた。昨日のことを思い出し僕はさらに緊張してしまった。
しかし僕の気持ちは変わらない。僕は一途に思うことが自分でもいいところだと思っている。
昔だって…。
思い出したくないことを思い出してしまった。
僕の変化を察したのか笹原さんは自席に戻って行った。
外を見ると暗い空が広がっていた。そして、その中心に集まる多くの雷雲が僕のことを嘲笑っていた。