彼女たちの結末
「全部…思い出した」
俺は過去のことを全て思い出した。
忘れたくて、自ら蓋をした、過去の罪を。それは今もなお追って来る。
彼女、笹原の言ったことは俺の記憶に鮮明に残っていた。
あの時、瀕死になった男は俺に言った。(お前は自分と同じだ)と。
これは俺にとって呪いの言葉になった。心の中に残り続け、徐々に広がり収まることを知らない。
みんなを助けるためとは言え、俺はあの人殺しと同じなんだ、と。
事件の後、家族は僕を捨ててどこかへ行った。
人殺しを育てる心の余裕はなかったらしい。
俺はこの絶望に耐えきれなくなり、忘れた。
新しい両親に拾われ、名を変え、記憶を消し、今までのうのうと暮らして来た。
罪から逃れるために…
「俺が殺した…」
「俺はあいつと同じ…」
「大丈夫だよ、そんなあなたでも私は愛してる」
「私だけは全てを許す、だからもう、何も考えずに私といればいいんだよ」
私は頭を抱えながら同じことを言い続ける彼に優しく言葉を紡ぐ
彼の目にはもう光は無かった。
私がその光を奪った。
でもそれでいい、これが私が愛したゆう君。
これでもう、ゆう君は私のもの。
誰にも取られない。
「これからはずっと一緒だよ?」
「ゆう君」
血生臭い地下室に私はゆう君を1人残し、重い扉を閉じた。
終
「うーん、こういう物語もありなのかな?」
真っ白な空間で白髪の少年はそう言い本を閉じる。
服装は白1色で統一されているがその目は真っ赤な瞳でまるで吸い込まれてしまうかの如く美しい。
「暇つぶしで読んでみたけどあんまりだったなー」
少年は本を後ろに投げ捨てる。
しかし本は地面に落ちることなくふわふわと宙を浮きその場に止まった。
そしてその本は次第に消えて無くなった。
彼の手にはいつのまにか新しい本が握られていた。
「さて、次の物語は何かなー」
手に取った本を楽しそうな笑みを浮かべて彼は開いた。
新しい、物語を求めて。
そのページをめくる。




