かわいい僕のつがい 4
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無遠慮に僕に対して、運命の相手だの、番だの言って求婚してきたダミアン団長は、生贄となった多くの遺体が発見される事になった聖都ロンバルディアの現状を報告するために王都へとやって来たのだが、たまたま王都を視察していたアンジェラの姿を見て、
「俺は間違っていた・・俺の番は間違いなくあの人だ、あの人が俺の番だ・・・」
と、こちらが怒り心頭となるような言葉を漏らしていたらしい。
力のある者は魂の匂いを嗅ぎとることが出来るため、自分の番を間違う事はない。僕も覚醒後から魂の匂いを嗅ぎ分けられるようになったのだが、アンジェラからは甘くて強烈に惹きつけられる匂いがするんだ。
自分が強いと誤解している奴ほど、番、番と言い出す傾向にあるのは昔からの事で、番だと思ったんだけど、やっぱり誤解だった等と言い出して平気で女を捨てる奴もこの世の中には山のようにいる。
だかこそ、番制度を法案として通したのは意味がある事だったのに違いない。
ちょっと好みの女がいれば「俺の番」とか言い出す奴が僕は大嫌いだ。
しかも、僕のアンジェラが番だと?
しかもこいつは、カタンザーロの領主の娘に向かって自分の番だと宣っていた事もあるらしい。南の竜にボコボコにされたらしいが、もう許せない。
二度と王都には戻れない場所に送り込んでやろう・・・
百年近く、聖教会の本拠地として認められていた聖都ロンバルディアは、パルマとオストラヴァ両国の緩衝地帯としての役割を担っていたのだが、今回、聖教会が異界の雌の龍による産物だと判明するに至り、滅びた聖国の領土は我が国のものとして統治する事に決めた。
聖教会は裁判にかけられ、この世から消えることになったのだ。
多くの信者を生贄として捧げてきた司祭や神官たちは捕縛され、現在も裁判が続けられているような状況でもある。雌龍の鱗を飲んだ後遺症に悩まされる人々に対しての保護政策も現在検討中。
異界の龍の被害が想定外の形で残っているような状態なのだ。
「それじゃあ、ダニエルさんは今、ロンバルディアに居るんですか?」
アンジェラが僕以外の男の名前を口にするだけでイライラする。
「ロンバルディアの地は、時空の裂け目から異界の龍が落ちてきた場所でもあるんだよ。磁場の関係で人が住む事が難しい場所ではあるんだけど、聖国人の末裔であるあの男ならきっと大丈夫だろうね」
あそこから出て来られないように、南の竜に見張をさせよう。お互い、番にはちょっかいを出して貰いたくない思いは一緒だろうから、協力体制でいってやろうじゃないか。
「そういえばレアさんから手紙が届いたんですよ!辺境伯領での生活もだいぶ慣れて来たみたいですね!母の時から一緒に働いている文官も多く残っている事もあって、バジリオさんは軍の編成に集中できて嬉しいみたいです」
「ああ、それは僕も聞いているよ」
アンジェラを迫害した辺境伯領は滅ぼしてやろうかと一瞬考えたのだが、そんな事をしてもアンジェラは喜ばないと思い、彼女の意向に沿う形で動く事にしたわけだ。
頭が脳筋の奴らが多いから、なるべく強い人を送って欲しいと言われたので、信頼も厚いバジリオを送る事にしたのだ。あいつは要領が良いので北の地でもうまくやっているらしい。
オストラヴァ王国には三匹の若い竜が揃ったなんて言われているが、その全てが番同伴の元、今の生をいきている。
番の制度を作ると言い出した時には、監禁したくなるほど好きなんだから仕方がないだろ!と思ったけれど、幸せに人生を送っていく為には、お互いの意見を尊重する事も大事なのだろうな。
アンジェラの夢の中の父母は、大概、雄の身勝手な主張から喧嘩に発展しているので、他人のふり見て我がふり直すじゃないけれど気をつけよう。
「あ、エリアさん!お腹触って!」
何かに驚いた様子でアンジェラが目を見開くと、すぐさま僕の手の平を自分の膨らんだ腹の上へと置いた。
「今!お腹の赤ちゃんが蹴っ飛ばしたの」
「ええええ?」
僕にはわからなかったが、アンジェラには分かったらしい。
「元気な証拠ですね!」
太陽の光を浴びた王都は煌めき、遥か向こうに見える山脈は、ついこの間、起きあがろうとしたなどとは思えないほど、緑の木々の輝きに包まれている。
雲一つない青空の下で、かわいい僕の番は眩しいほどの笑顔を僕に向けている。
本当は王国なんてどうでも良いし、君以外、本当の所はどうでも良い僕だけど、君の笑顔を守るために僕は生きていこう。
僕は彼女の頬にキスを落として頬ずりをした。
やっぱり僕の番は可愛いがすぎるようだ。
これで完結となります!
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