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聖女と魔女  1

お読みいただきありがとうございます!よろしくお願いします。

 しぶとい男は好きよ。

 抵抗して、抵抗して、最後の最後には私に服従をして屈服させるの。

 そうして男を跪かせた後には、女の方を男の手でズタズタにさせるの。


 そうして、ふとした瞬間に我に返った時の男たちの顔ときたら!もう!本当に最高!

 怒りのあまり目から血の涙が出た奴もいたし、自分の唇を噛み切った奴もいた。憎悪に満ちた血走った目なんかも最高ね!


 だって、私の事が憎くて憎くて仕方がないって言っているのに、最後には蕩けるような眼差しで私を見つめて、愛を囁かずにはいられなくなるんですもの!


 今代の辺境伯なんかも、本当にそう。

 彼は屈服させるのに、本当に手間取ったのよ。憎々しげに私を見つめる眼差しは、私の洗脳によってガラリと変わる。だけど、魂の根底の部分で否定をし続けているから、最後の最後の一線は絶対に越えないのよ。


 この私に対してキスの一つすら落とすことがない。複製品だったら少しは妥協するかしらと思ったんだけど、結局、頬にキスを落としたフリをするだけ。

 その姿を見て実の娘が傷ついた表情を浮かべたから溜飲を下げたけど、本来だったら八つ裂きものよ?私の言う事を聞かないだなんて!さすがあいつの子孫って感じよね!


 生まれ変わる度に、私に牙を剥き続けてきたあの、陰湿で粘着気質で、こちらの神経を逆撫でする、あのクソ女の魂が、今の世の中に復活していない事は知っている。


 輪廻転生から外れたあの女は魂で何処かを彷徨っているはずだけど、うざい!本当にうざい!身近にいそうでいないこの気配が本当にウザいのよ!

 だから、この世界は滅ぼすことに決定したの。


 随分長く過ごしたし、正直、この世界に飽き飽きしていたという所もあったのよ。

 せっかく、ここまで来たのだから、私がこの世界でヒロインとして活躍して、下民どもの崇拝を一気に集めたところでお父様を復活させたら、この世界を滅ぼして、お父様の故郷へと帰っていくの。


 お父様はとっても悪い事をしたとかで追放処分を受けたらしいんだけど、これだけ時間が経っていればもう時効でしょう?


 結局、最後までこの世界に馴染みきる事が出来なかったのは、私がこの世界にいるべきものじゃないからなのよ。向こうに帰ったら、きっと私だけの愛する人を見つける事が出来るはず!


 信者を生贄として力とし、お父様復活のための足がかりとしながら、この世界を滅ぼすことで有象無象の魂の力を使って時空に亀裂を生じさせるの。

 お父様が前回やろうとして失敗した方法だけど、今の世界には力の強い者もいないし、抵抗する力も弱いから、易々と行う事が出来るでしょう。


「この度、聖教会から聖女として認められる事になった、ダニエラ・マルサラ辺境伯夫人である。彼女は病に倒れる人々を救い、多くの人々を助け続けた!まさに聖女オリヴィエラの再来と言っても過言ではないだろう!」


 ルクレッツィオ殿下は、跪く私の頭上に、金で出来た見事な細工のティアラをのせたの。

 純白のローブに聖杖が正教会の司祭長から渡され、神官たちが恭しい手つきで私の首元のリボンを結んでいく。


「聖女ダニエラ!私と共に、このオストラヴァ王国を導いてくれ!」


 殿下が私の手の甲にキスを送り、その後ろでチェレスティーナ妃が拍手を送ると、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。


 私がやった事って、高位貴族のお肌のケアをしたり、持病を治したりしただけ。私の鱗を砕いたものは万病に効くから、水に混ぜて平民どもにも配ってやったけど、眷属を増やせて私もハッピー!周りもハッピー!これで私が聖女として認められた事から、聖教会をオストラヴァ王国の国教として認めさせてやるのよ!


 あれほど嫌っていた異界の竜を国を挙げて信奉することになるんだから、とっても皮肉が効いているでしょう?

 今の国王がやる気のない奴で本当に良かった!


 私を祝うために妃と共に、のこのこ離宮から出て来ているんだもの。先祖返りだとか偉そうな事を言ったとしても、バカはバカだったのよね!本当にラッキー!


 私の披露目のパーティーは私の都合で竜の間にしてもらったのよ。

 集まった貴族たちは、いわゆるラディカーティ公爵の子飼い、貴族派と呼ばれる者ばかりで、ルクレッツィオ殿下が王位を継いだ時には甘い汁を吸ってやろうと考える奴らばかりなのよ!

 つまりは私の眷属となった人たちって事よね?


 ティアラを頭上に飾り純白のローブに包まれた、聖杖を掲げる私を見て、貴族たちは歓声を上げている。

後にいるコルネリオはどんな顔で拍手をしているのかしら?このパーティーに参加した国王夫妻はどう?ビアンカの隣に立つベルトルトは・・正気に戻っているみたいね?


どうやら聖都が潰されたみたいで、人心操作が一部、うまくいっていないのよね。はあ、後で調整しなくちゃならないかしら。

 そんな事を笑顔で手を振りながら考えていると、突然、パタラヴィア神聖語の歌が会場に響き渡ったのだった。


ここまでお読み頂きありがとうございます!

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