絶叫が轟く恐怖の館にて愛を語る 3
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エリアさんは巨乳なんですよ、貧乳の私ことアンジェラと違って、何倍もの大きさを誇るおっぱいをお持ちなのです。やっぱり男性って巨乳が好きなんですかね?
ジバオンさんとエリアさんの二人がかりで開けた重厚な扉を一人で開ける(蹴り開けたともいう)なんて!これが愛の力って奴なんでしょうか!
「ダミアン、お前、軍部の方はどうしたんだ?」
エリアさんの前に跪く息子の姿を見て、ジバオンさんの額に青筋が立っています。何せダミアンさんは領主軍を率いる団長様ですものね。これから戦争だなんて時に、本来、こんな風に抜け出して愛を乞う時間なんかあるはずがないのですよ。
「俺でなければならない仕事は粗方片付けてきた!後は副官どもでも出来る仕事なのだから、俺が少しくらい抜けても何の問題もない!」
「パナマ公国が攻めてくると言うのだぞ!近隣の領主にも援軍を求めているが、間に合うかどうかも分からない!しかも今はエルアルディオ殿下がご病気で療養中だ!王国軍は援軍として役に立たないと考えておけ!」
オストラヴァ王国には現在、二人の王子がいるわけですよ。第一王子のエルアルディオ殿下と第二王子のルクレッツィオ殿下。エルアルディオ殿下は軍部を任されているので、帝国相手に衝突が起こった時には、北の国境にも来て下さいました。
不祥、辺境伯の長女である私も、二年ほど前に一緒に戦った事がありますよ。共同戦線を組んだわけなんですけど、将官として末席に加わらせて貰いましたとも。
あんまりお名前を聞かないとは思っていましたけど、ご病気中だったんですねー〜。
世継ぎの騒動で暗殺でもされかけたのかしらー〜。
「我が領主軍は正面からぶつかり合う事になるだろう、そうなれば俺は生き残れるかどうか分からない!」
「なっ・・・」
「今だけ・・今だけなんだよ。敵もまだ聖都まで到着はしていない、今、この時間だけが俺の自由に出来る時間なんだ!心から愛する事が出来ると思った女を口説きたい、手に入れたいって思う俺の気持ちを尊重してくれよ!」
「口説かれたくもないし、手に入れられたくもないのだがな」
エリアさんはダミアンさんみたいな人は好みじゃないんですかねー〜。
物凄く渋そうな顔をしているし、心の奥底から嫌そうな雰囲気を醸し出しているのですが、全く意に介さないダミアンさんのハートは鋼の強さを持っているのでしょうね。
「お前が・・仕事の合間に出来た休息の時間を客人の案内にあてると言うのなら・・私はその案内について行くだけだ」
ジバオンさん、ガイド役を息子に譲り渡してしまったのですね!
「親父!」
「お前の案内に不備があっては困るからな、最後まで私も同行させてもらう」
「親父!ありがとう!」
ダミアンさんはエリアさんの手を握りしめたままだけれど、セクハラにならないのだろうか?
それにしても出兵前に、俺に残された時間は少ないとかなんとか言い出す兵士の親っていうのは、大概は、出来る事なら息子の為に何でもやってやろう状態になっちゃうんですよ。うちの領地にもいたよ?出兵前に一晩だけの妻(実際に籍まで入れる)を用意する親。本当に結婚させるから、戦争から帰ってきた後も伴侶選びに悩まずに済むという理由と、せめて息子に結婚だけでもさせてやりたいという親心ってやつね。
それで戦地で死んだら、即未亡人になってしまうわけですよ。あてがわれる女性の人権を丸っと無視したこの行いが、私は本当に嫌いだったなぁ。
「あのですね!申し訳ないですけど!出兵前の最後の思い出作りとか言い出して、ベッドのお相手までさせるのは無しですよ?ナシナシの無しですよ?もしも強行突破するのなら領主様に告げ口しますからね!」
「アンジェラ!なんて君は素晴らしいんだ!」
こちらにすっ飛んできたエリアさんが、私の体をぎゅうぎゅう抱きしめます。
そりゃそうでしょうよ、ほとんど初対面の男に求婚されるのもどうかと思うけど、今のところ好みじゃないんでしょう?エリアさんだって結婚したいのかどうか、ゆっくり考える時間が必要でしょうよ。
それにこの親子、結託したら行き着くところまで進みそうなところがあるから、牽制は必要だと思うのよね。
「結婚するのならパルマ公国との戦争が終わった後にしてください!本日のみの短期決戦と考えて、最後まで持ち込もうとするのはやめてください!この国には婚約をするという制度もあるわけですから!きちんとエリアさんの気持ちを振り向かせて、婚約をして、情勢が落ち着いてから結婚をするという風にしてくれないと、エリアさんが可哀想すぎますよ!」
「そうじゃない・・アンジェラ・・そうじゃないんだよ・・・」
後ろから抱きつかれているような状況なので、エリアさんの悲壮感に満ちた声が私のつむじあたりに響きます。
「そうじゃないってなんなんですか、やっぱりダミアンさんはエリアさんにとって一考するにも値しないほど、好みじゃないって事ですか?」
あからさまにショックを受けるダミアンさんは、見るからにイケおじ(私の年齢からすると相当年上に見える)って感じなので、女性に困った事がなかったんでしょうね。押せば落ちない事はなかったから、エリアさんも押して、押して、押していけば落とすことが出来ると考えたのか。
「好みじゃない!僕が好きなのはアンジェラだから!」
エリアさんの巨乳が私の背中にグイグイ押し付けられます。
「え?まさかまさかの、女性が好き系?」
驚き叫んだダミアンさんは、ハッとした様子となってぐるぐる何かを考えているようです。
「だから俺じゃ駄目なのか?万人ウケする、どんな女でも落ちない女はいないと言われる俺でも一向塩対応だったのは、女が女にラブ系のアレだからなのか?」
ああー〜、私も辺境伯軍にいた時に話で聞いたことがあります。
女性の騎士や戦士は、男並みに戦う事が出来るけど、心の中まで男みたいになっちゃって、おっぱいに癒しを求め、同性しか愛せなくなってしまう人がいるらしいということを。
「私・・エリアさんを癒せるほどのおっぱいは無いかなー〜」
腕には結構な筋肉がついているんですけど、お胸の辺りはツルペタ状態なわけですよ。足なんかはカモシカの足って言われるんですけど、お胸の辺りはマルサラの城壁だって昔から言われているんですよ。
「女は巨乳が全てじゃない!」
「エリアさんにだけは言われたく無いですよ」
「胸は大きさじゃない!形と感度だよ!」
「あああ・・我が女神はそっち系の人だったのか・・・」
何かを悟った様子でダミアンさんはあからさまに項垂れると、私たちをその場に置いて、駐屯地へと帰って行ってしまったのだった。
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