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大陸滅亡の危機と幽霊と  5

お読みいただきありがとうございます!よろしくお願いします。

一部、内容を変更しています。

 辺境伯夫人となったダニエラ・マルサラは、社交シーズンは娘のアンジェラと共に王都にあるタウンハウスへと移動をして、夜会やお茶会を楽しむ日々を送っていたみたい。


 聖女そのものの髪色をしたダニエラは人を癒す不思議な力を持つといわれ、アバッティーニ侯爵夫人の長年の頭痛を治したという事で、高位身分の貴族から我先にと招待を受けるようになったという。


 記憶喪失の所を辺境伯に助けられたダニエラは異例な立場でありながら娶られる事になったという事もあって、今まで社交に顔を出す事がなかったものの、辺境の奇跡を聞きつけた教会によって王都へと呼び寄せられる事になったのよ。


 記憶喪失により出自は知れない状態ではあるものの、貴婦人としてのマナーが完璧なダニエラは、アバッティーニ侯爵家の後ろ盾もあった事から意外なほどあっさりとオストラヴァの社交界に受け入れられる事になったの。


 不思議な力を持つダニエラに対して、私も初めは警戒心を持って接していたのだけれども、今では、私にとって居なくてはならない、絶対的な存在へと変わってしまったの。


「チェレスティーナ王子妃様、マルサラ辺境伯夫人がいらっしゃいました」

「まあ!すぐにお通しして」


 サロンでお茶を楽しんでいた私が興奮して立ち上がると、周りの侍女たちが慌てた様子で私の近くへと駆け寄ってくる。


「王子妃様、慌てて転んでは大変なことになります」

「お腹の子をまず第一に考えてくださいませ!」

「ええ、ええ、分かっているわ!」


 私はチェレスティーナ、この国の第二王子であるルクレッツィオ様の唯一の妃であり、この王宮で王子妃としての確固たる地位を築いているの。


 我がオストラヴァ王国を治めるマウリッツォ国王には双子の王子が誕生した。エルアルディオ第一王子とルクレッツィオ第二王子のお二人は、同じ日、同じお腹から生まれたとは思えないほど容姿が似ていないお二人で、昔からどちらが王位を継承するかで争うことも多く、とても仲が良いとは思えないお二人だったの。


 竜の血を引くとも言われるオストラヴァ王家は生涯に一人の伴侶しか娶らない事が多くて、マアウリッツオ陛下も同じく、メルチェーデ王妃様お一人のみを愛するばかりで側妃を娶る事などしなかったの。

 だから、この国の王子は双子のお二人だけ。次に誰を王位に就けるか早く決めれば良かったのに、陛下がなかなかお決めにならないから、王国内は無駄な派閥争いを繰り返す事になってしまったの。


 この無駄な争いに終止符を打つために立ち上がったのが私のお父様であるラディカーティ公爵で、私を第二王子であるルクレッツィオ様の妃として、王国の貴族をまとめるために辣腕を振い出したの。


 あまり表に出たがらないエルアルディオ第一王子が昨年から病に倒れて、離宮からお出にはならない状態となった事もあって、貴族の間では次の王はルクレッツィオ様で決まりだと言っているし、ラディカーティ公爵家率いる一大派閥が殿下の後ろ盾にもなっているのよ。


 後は私がルクレッツィオ様のお子を授かれば、磐石の体制で王位を継承出来るというのに、王子妃となって二年が経つのになかなか私は身籠る事が出来なかった。


 半ばノイローゼとなった私を助けてくれたのがダニエラであり、ストレスで血流の循環が悪くなった私の体を不思議な力で癒した後に、子供を身籠りやすくなるという薬を処方してくれたの。


 その薬を服用した翌月には懐妊した私は大喜び!もちろん殿下も大変喜んでくださったわ!

 今は妊娠三ヶ月となったのだけど、まだまだ不安定な時期のため毎日のようにダニエラには癒しの力を使ってもらっているの。


「チェレスティーナ様、今日も体調が宜しい良いで安心いたしましたわ」


 マルサラ辺境伯夫人であるダニエラは、二十代にしか見えないほど若々しい女性なの。娘を連れて登城するのだけど、二人でいると姉妹にしか見えない。


 この世に一人もいないとされたピンクブロンド髪は窓から差し込む太陽の光を浴びて柔らかく輝き、身にまとう白地のブリオーは広がる袖部分に金糸の刺繍が施された美しいものだった。細いウェストを占めるベルトが金色に輝いていて、その輝きが神々しさを感じさせるのよ。


 娘もまた、初々しい美しさを持つ、薔薇の蕾のような少女なのだけれど、お母様に比べるとちょっとだけ装飾が少ないブリオーが、彼女の清廉さを引き出しているように見えた。


「今日も治療をさせて頂こうかと思うのですが、いかがでしょうか?」


 柔らかい笑みを浮かべられて、私の心まで温かくなってくる。


 元々日当たりの良いサロンだったのだけれど、ダニエラのおかげで身も心も温かくなるようで、

「ええ、今日も宜しくお願いしますわ!」

私は彼女のほっそりとした手を握り締めたのだった。


ここまでお読み頂きありがとうございます!

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