その日は平凡な一日
特別な才能もない人間がいたとする。
そんな人間がいたなら、その人間が送る一日は、特に何もないのが常識だ。
それで、何か物語みたいな事があるのは、逆におかしい。
けれど、私はそれが死ぬほどいやなの。
平凡な一日をつみかさねて、平凡な人生を送るなんて、まっぴらごめん。
だって、夢が見たい年頃なんですよ。
現実だけを見て生きていくには、若すぎる。
ここで閉じたくないんですよ。
色々な物を、色々な縁を。
いつも求めてる。
平凡でないもの、オカルト、不思議、言い伝え。
噂に怪談、未知への扉。
そんなものがあるから少しは、気を紛らわせる事ができているけど。
やっぱり満足には程遠くて、平凡な一日が嫌になりそうで。
だから。
誰か、この平凡すぎる一日達の中に、何かを持ってきてくれないかな。
なんて。
授業中、窓の外みて夢想しだすしかないよね。
そんな事、あるわけがない。
「あー、お前ら今日からこのクラスに転校生がやってくるんだが、初めての転校生イベントだからって、質問責めにするなよ」