第九話「狙われた桜」
「玲奈ー!! 玲奈―!!!」
桜は林の中をくまなく探していく。
(どこかで怪我してない? 迷子になっちゃった? 早く……早く……)
夕日も見え始め、林の中はゆっくりと闇を深めていく。
「玲奈ー!!」
「一ノ宮桜さんですね?」
声のしたほうを振り返るとそこには、紫の着物を着た青年がいた。
「誰……?」
桜が警戒するのも無理はなかった。
小鬼や少年の鬼の襲撃頃から、桜は鬼の気配をわずかながら察知できるようになっていた。
「私は霧哉と申します。あなた様をお迎えにあがりました」
「どういうこと?」
「あなた様には尭鬼様の元に来てもらいます」
「断るっていったら……?」
「この娘を殺します」
そうして霧哉が「この娘」と紹介したほうを見ると、霧で今まで隠れていた少女が現れた。
「玲奈!?」
玲奈は意識を失っており、桜の声は届かない。
「さぁ、どうしますか? あなたはお友達を見捨てて逃げますか?」
(どっちの方法も取りたくない。何か方法は……)
桜が切り株に目を向けると、そこにはサバイバルナイフのような小さめのナイフがあった。
(ナイフ……! 戦える! けど、一人だと玲奈の命まで守れないかも)
すると、桜は霧哉の後方に三琴を発見した。
(でもこれ以上目で合図したら、敵にバレる。なら……)
桜は一気に駆けだすと、ナイフのほうへと向かって行った。
「逃げるのかいっ?!」
霧哉が桜に攻撃を手から放つが、その攻撃を三琴が攻撃ではじく。
「何?!」
三琴は一気に霧哉に詰め寄ると、とどめを刺すように霧哉の腹部を刀で貫いた。
「玲奈!」
一瞬の戦闘によって、無事に生還した玲奈を抱きしめる桜。
三琴は灰になって消える霧哉を眺めていた──
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