第八話「危険な帰り道」
「じゃあ、グループに分かれましたかー?」
現地到着後、すぐにカレー作りがおこなわれた。
桜と三琴は同じグループだった。
「じゃあ、これを切ってもらえる?」
「この刀のようなもので切ったらいいのだな? わかった」
桜が見本を見せて、三琴がその通りに切る。
「刀?? 三琴くん古風なこと言うよね」
クラスメイトの玲奈が三琴のまな板を覗きながら言う。
それに対して、桜は慌ててフォローする。
「ああ! 三琴はとっても田舎に住んでたから!」
「……? へえ~そうなんだ~なんか大変そう。何かあったら言ってね!」
玲奈が巻き割り係のクラスメイトのところに向かって行った。
「はあ……」
「ごめんね、僕のことで桜に苦労させて」
「大丈夫だよ、自分が同じ状況だったら困って助けてほしいもん。それに『許嫁』なんでしょ? このくらいやらせてよ」
「感謝するよ」
桜と三琴は着々と準備を進めていった。
桜のグループは、桜が普段から料理経験があるおかげか、非常に出来の高いカレーになった。
三琴ははじめはカレーの存在に戸惑いつつも、次第に味にはまり、たいらげていた。
桜はその様子に安心した。
午後からは林業体験とクラフト体験をすることになった桜たち。
だが、この林業体験の帰り道で事件は起こった。
「足元に気を付けてね~滑らないように」
担任の遠坂が先導し、宿泊施設へと向かっていた一行。
しかし、桜がそこで異変に気付く。
(玲奈がいない……)
「三琴、玲奈がいないの」
「真庭さんが?」
「私、探してくる!」
「桜っ!」
桜は一人で駆けだしていった。
すぐに追いかけようとする三琴の目の前突然白い霧が立ち込める。
「霧っ?!」
その霧のはるか向こうに桜は行ってしまった。
三琴は桜の気配をたどろうとするが、霧で気配や匂いを消されており、追えない。
「くっ! 桜っ!!」
三琴は桜を見失ってしまった。
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