第十二話「新たな敵襲」
「ねえ、三琴? 聞いてるの?」
「え? ああ、うん。なんだっけ?」
「もう! 体験入部の話!! 本気で入部するの……?」
「いや、僕はやめとくよ。これでも古墳の墓守だ。鬼を退治しなければいけない。それに……」
三琴が立ち止まる。
「それに?」
合わせて桜も立ち止まって三琴のほうを振り向く。
「僕には『許嫁様』を守る使命があるからね」
「──っ!」
桜は顔を赤くし、三琴に背を向けて歩き出す。
「もう! 調子いいんだから」
(胸がどきどきする……やっぱり、私、三琴が好きなの……?)
桜は胸を軽く押さえ、目を泳がせる。
「ねえ、どうして私の……」
三琴に聞きながら再び振り返る桜。
「──っ!」
そこには道に倒れ込む三琴の姿があった。
「み……こと……?」
桜はわけがわからず、三琴に駆け寄り、身体をゆする。
「三琴! ねえ、大丈夫? 三琴!!」
そこで桜は周りの景色が赤く現実とは遠く離れた色をしていることに気づいた。
「なに……これ……」
倒れる三琴を抱え、まわりに警戒する桜。
すると、見えない何かが声を発して桜に語り掛ける。
「さあ、姫。来るのです、そこにいる精霊の意識を異空間へと飛ばしました。これで邪魔者はいなくなりました」
「意識を……飛ばした……?」
桜は声に返答する。
意識を失った三琴を桜は見つめる。
(三琴は無事なの……?)
桜と倒れた三琴の前に、巨大な鬼が現れる。
3mはくだらないほどの巨大な鬼で、刀を持っている。
その瞬間、巨大な鬼の刀が桜目指して振り下ろされる。
「──っ!」
桜は咄嗟に手を前にかざすと、球体の結界が張られ、刀が弾き飛ぶ。
(またこれ……前も部活の弓で払ったら飛んでいって…………弓……!)
桜は三琴にいざというときのために渡されていた矢を取り出し、弓を構えた。
(戦闘で使うのなんて初めてだけど、できるかもしれない!)
桜は部活で持ち歩いていた弓と三琴からもらった矢を巨大な鬼に向けて構えた。
(お願い……、当たって……!)
放たれた矢は一直線に巨大な鬼の右目にあたり、鬼は命中した矢の部分を押さえてもがき苦しむ。
「ぐおおおおおー!」
(やった……)
桜の矢には霊力がこもり、鬼の目は焼け焦げたように傷つく。
(この感覚……なんか不思議……初めてじゃないみたいな……)
一方、桜の攻撃に激怒した巨大な鬼は、大きな風を巻き起こし、桜に攻撃を仕掛ける。
その風によって、弓は遠くへ飛ばされる。
「あっ!」
三琴が眠りにつく中、桜は絶対絶命のピンチを迎えていた。
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