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だいすきっ!!  作者: 翅桜
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かぞくの紹介!!

楽しんでもらえると光栄です

「ミコのばかぁ!!」



かぞくの紹介!!



「サナ、どうしたの?」

レン兄こと長男、漣太郎れんたろうは仕事前のスーツ姿で私の顔を覗きこんだ。

「ミコがぁ…。」

うん、うん、と私の頭を撫でながら話を聞いてくれる。

「レン兄時間だよ。」

「あ…。もう時間か。サナ、大丈夫?俺、もう会社に行かなきゃ。」

「俺が変わるよ。」

その声にはっとして頭を横にブンブンと振ると、お構い無しに奴は私の頭を撫でる。

「レン兄、行ってらっしゃぁ〜い。」


奴…コトちゃんこと三男、琴哉ことやが笑顔で手を振る。

「コトちゃん…。もう大丈夫だよ…?」

いわゆる女たらしのコトちゃんに捕まるとたちが悪い。

「そうか、心配をかけないように遠慮してんのか。サナは可愛いな。

遠慮なんかしなくて良いぞ。俺とサナの仲だろ。」

いやいや…。

違いますからっ…!!


「コト、離してやれ。サナが学校に遅刻するだろ。」

あぁ!!天の助けだ!

セイちゃんこと次男、成多せいたは似合う黒縁のメガネを光らせた。

小さく舌打ちをするとコトちゃんはポンポンと私の頭を撫で離れて行った。

「弟がホストだなんて病院にバレたらどうなるか…。」

医者の卵のセイちゃんは深いため息をつくと家を出た。

ホストを天職とするコトちゃんは、

「あぁ!!セイ兄が俺に厳しくするのは、愛なのか!!ツンデレか。

俺は男より女の方が好きだけど、セイ兄が俺の事が好きだなんて…

ぜんっぜん嬉しいぞっ!!」

ポジティブで明るい兄です。


「サナ。遅刻するぞ。」

怒ると怖いけど普段は優しいパパ(博人ひろと)は座り込んでいた私を立たせた。

「ミコもそんなとこでブスっとしてないで学校行け。」

ミコこと私と双子で四男、未琴みことは無言で家を出た。

ケンカしてるとはいえ、置いてきぼりは寂しい。


「ミコちゃん、待って!」

パパはそんな私に鞄を渡すと末っ子の幼稚園児のシンこと真多しんたを抱き抱えた。

「シンを幼稚園に送っていくついでだ。一緒に行くか。」

「いっしょにいこ!!」

シンのまだまだ舌足らずのしゃべり方に笑みをこぼし家を出た。

「「「行ってきまぁす!!」」」


「サナ、ばいばい。」

シンの幼稚園に着くと、パパとシンにバイバイをした。

先に出たヤンチャ坊主のコトちゃんはもう見えなくて、足早に学校に向かっていると

「サナ姉!!」

聞き慣れた声がした。

「ユキ!」

近所にある中学校の塀からユキこと五男、幸貴ゆきたかが顔を覗かせていた。


「今、朝練中でしょ〜?」

「休憩中〜。」

野球部に入っているユキは兄弟一、ゆっくりした子。

「うわっ!!」

ズルっと言う音と同時にユキは塀から姿を消した。

「ユキ!?大丈夫!?」

「あははっ、大丈夫大丈夫。」

毎朝階段から落ちたりと危なっかしかったりします。


学校に着くと、ドカっと足を机に上げて座っているミコちゃんがいた。

「ミコちゃん、置いてかなくてもいいじゃん。」

「お前が座りこんでんのが悪いんだろ。」

またまた、頭の何かが切れた。

「もとはといえば、ミコちゃんが私の大切にとっておいたウィンナーを食べたからでしょ!?」

「朝は忙しいんだから、さっさと食べりゃぁ良かったんだろ!!」

「じゃぁ、そう言えばいいんじゃん。」

「言ってんじゃん!!」

「聞いてなぁい。」

「ざっけんな!!」

言い合いをするのもいつもの事。

沙波さなみ、教室行こう、ね?」

友達の声に従って、ミコちゃんの教室から出て行こうとすると、追い払うようにコトちゃんが手を動かしているのが見えた。

「未琴〜!!」


そんな兄弟。

そんな会話。

そんな日常。

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