これが北野家!!
「さっさと起きてねー!!」
これが北野家!!
足早に階段を駆け上がって、一番奥のドアを力いっぱい開ける。
「レン兄、起きなさい!!」
レン兄はゆっくり起き上がると私の大好きな笑顔で笑った。
「おはよう…。」
「おはよう!!」
挨拶を交わしてレン兄の部屋をでる。
レン兄の向かいの部屋をゆっくり開ける。
「セイちゃん?」
「起きてる。」
その声に頷いて次の部屋へ。
次が嫌なんだよね…。
そう思いながらもドアを開ける。
「コトちゃん!!」
布団を引っ張り、大声を出すと、部屋の主は私の腕を引っ張りベッドに押し倒した。
「サナ、おはよう。」
「…おはよう。コトちゃん、どいてくれる?」
そんな事もお構い無しにコトちゃんはギューっと私を抱き締めた。
「コトちゃん。」
私はコトちゃんをつねった。
「いででっ!サナぁ…。」
「早く用意してよね。」
はぁ…と、ため息をつくと次の部屋に向かった。
「ミコ?」
次の部屋の主は大きなイビキをかいて、ベッドから落下しながらも寝ていた。
「ミコ。」
いくら体を揺すっても起きないから、私はミコを蹴飛ばした。
「だぁ!!」
間抜けな声を出しながら腰を擦るミコを横目に部屋を出た。
「サナ!!てめぇ、ふざけんじゃねぇぞ!デブ!!」
私は最後の一言にプチンと頭の何かが切れるのを感じて部屋へカムバック。
「はぁ!?せっかく起こしてあげてんじゃん!!」
「起こし方ってもんがあんだよ!…あぁ、そうか。お前は頭がかわいそうだから分かんないのか。」
「ふざけないでよ!!この前のテストは私が28点でミコが24点じゃん。私の方が上だもんねぇ!」
私はベッと舌を出す。
「たった4点だろ!」
「4点をなめんな!!」
「バぁカ、アぁホ、ドジ、マヌケ!!」
「おたんこなす!!」
『うるっさい!!!!』
ビクっとしてミコと私は後ろを振り返る。
「パ…パパ…おは…よう…。」
「朝っぱらから騒ぐな、近所迷惑だっ!未琴、沙波、後で下に来なさい。」
笑顔のパパが怖い…。
「まだ、ユキとシンを起こさないと…。」
「俺が幸貴と真多を起こす。」
「はい…。」
パパに素直に従って、リビングに降りる。
「お前のせいだからな。」
「ミコが悪いんでしょ!?」
「未琴、沙波!!」
「「はい!!」」
駆け足で急ぎましょう。
一通りのお説教が終わると、うわっと言う声と何かが落ちる音がした。
「いてぇ…。」
さっと救急箱を用意して、階段に駆け寄る。
「ユキ、大丈夫?」
「うん…。」
毎日毎日階段から落ちてくる弟に気をとられてると、クイっと軽く服を引っ張られた。
「サナぁ…。」
「シン、おはよう。」
私が声をかけると、小さな弟はニコッと笑った。
こんな毎朝が北野家の日常…。