『雪の沙漠』
雪の沙漠、氷の草原
夢見る詩人は愛を紡ぎ、
灼熱の海原、渇いた湖底
いのち求めて死人が彷徨う
満天の星、煌々たる月
あやかしどもが荒野を往き、
茫漠の雲海、静謐の樹海
女神の使徒は欲情を詠う
廃墟の街、崩れた聖堂
死霊の群れが大地を穢し、
天空の庭園、無人の城塞
賢者は夢の書を紐解く
枯れた大樹、脈動する機械
聖者たちはいのちを印し、
蠢く文字列、絡み合う星辰
道化師どもが聖典を編む
大千世界に夢が零れ、
無間地獄に愛が溢れる
嗚呼、偽りの御霊たちよ
その執着を離れ、
慈悲の雫になり給え
その見識を改め、
無常の雫になり給え