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西暦184年の中国。
そのころの中国は、後漢の末期。
幼帝が即位し、その直属の臣下は帝の幼さに付け入って暴虐無人な悪政を布いた。
賄賂は当たり前で、出さない者は濡れ衣を着せて牢屋に放り込み、斬罪にするのだ。
このころ、ある宗教が民間で広がった。
太平道、俗に黄巾賊と呼ばれる宗教である。
頭に黄色い布を巻いているのでそう呼ばれた。
彼らは中国各地に広がり、反乱を起こすようになる。
これを黄巾の乱と言う。
その黄巾の乱の中にあった名もない城の物語。
荊州の端の方にある山中に廃れかけた城があった。
城と言っても城壁は崩れかけ、戦闘するには不向きな城であった。
しかし、こんな城にも領主と軍がいた。
領主の名は李統。人徳があり、領民から人望があった。
彼の軍は2000にも満たない数であったが、一人一人よく鍛錬されている少数精鋭であった。
この軍の武将は二人居た。
名前は周介と周達といい、二人は兄弟であった。
この二人は力があり、町中で人助けをしているので、城民から好かれていた。
そんな城のなかの村にある一件の家に一人の青年が居た。
名前は雷飛といい、読書が好きな18歳である。
彼は五歳の頃から本を読み始め、十二歳の頃には城にあるすべての本を読み切ったのだ。
そのおかげで李統の相談役として重宝されたのだ。
冷静沈着かつ物事を他人の視線から見ることが出来るので李統も彼に大いに助けられていた。雷飛も自分の親が子供の時に死んでおり、李統からの援助に助けられていた。
雷飛は自分の家で本を読んでいた。
普段は畑仕事をしているのだが、今日は雨で何もすることがないので本を読んでいた。
そのとき、家の戸を叩く音がした。
音のテンポからして急用でない事を悟ると、雷飛は戸を開けた。
そこには自分の幼なじみである楊麗が居た。




