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理想の先へ
『行くぞ……。』
足元からゆっくりと影が伸びていく。
たどり着く先には異都 望。
龍と混ざり合った結果なのか、気絶しているからなのか、望の顔は青白く、病的だった。
『暗転。』
影は一面に広がり、先ほどの戦場を黒に染めた。
底なし沼のように、体はゆっくりと影へと沈んだ。
そして白き大地の裏側へ。
そこには色がなかった。
何かが見える。
……夢?
白い空に、黒い影……、あの龍だ。
突如として現れ、空を覆い、世界は瘴気に沈んだ。
「そうか、これは、異都の……、アイツの記憶か……。」
存在が合わさり、その過程で記憶が混ざる。
『この技の欠点はそう……、記憶が混ざり、自分がだれかわからなくなると、人格が消える、という点だ。』
体の中にある13の言葉、『核』を、互いに引き寄せ、合わせる。
ついで自分の核をすりこみ、ついに日が昇った。
まぶしい。
何かが、顔を照りつけている。
……太陽?
『……終わりだ。』
まぶたを開けると、そこには誰もいなかった。
ただ光る、世界線をのぞいて。




