都を照らす光
「なぁ、もしかして……、アイツは……。」
『理想神が言うには……。』
そう、影は感じているのだろう。
白きモノの正体を。
ここに異都望がいること、そして、光を喰らったもの、それらについて問うたとき、影は同じことを言った。
理想の神が言うには……、と。
これは、俺の癖だ。
言外の証明。
つまり、影は言っている。
互いに干渉しあい、探り合う光と闇。
それ故に正体を知ってしまったか……?
あの光は異なる都からの望だと……。
「そうか、アイツと合流して、この空間を出ていけばいいんだな。」
『それが目下の急務だな。』
円盤状の地形に降りる。
宙は暗く、赤い光線が行き交う。
無と有の狭間。
「なあ、なんでアイツがこっちを見ないんだと思う?」
『さぁな。照れてるんじゃないのか?』
文字通りの影冗談はやめろ。
円盤の中心へと向かう。
「おい、どうしたんだ、ここで何してる?」
目があった。
その眼は青かった。
おかしい。
こいつの眼は、赤だったはずだ。
ちょうど、色を失った俺と同じような……な。
『!? おい、そいつから離れろッ!!』
「なっ」
砂塵が舞う。
「これは……。」
違う。
これは砂じゃない。
これは……。
逆流捻転世界線で自信を覆っていた膜だ。
対象の時の流れを逆転し、固定化する。
『何か知っているのか?!』
「ああ、以前、別の世界線で覆われていた。この中にいると時間が流れなくなる。」
『何?!』
「そうさ……。僕は異都望。君たちとは違う、逆流捻転世界線での『概念悪』だ。」
「以前、君は僕を取り込み、死の境界をさまよった。」
「ここでもう一度君に問おう。」
「君は『概念悪』をどうするつもりなんだい?」
瞳の奥の絶望を、見逃す訳はなかった。




