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平原と空の狭間で
「(まるでゲームだな……。)」
「貴方の名前は希さんだったんですね。」
「(そういえば名前を言ってなかったっけ……。)」
「どうやらこの世界線ではそのステータスの数値が絶対だそうです。」
「絶対とは?」
「つまり、STRが1でも高い相手と単純な力比べをすると、必ず力負けします。」
何ということだ。これでは本当に異世界線というより、ゲームの中だ。
「INTが高いと知識に関すること……本を読む速度が速くなったり、図をより正確に描けるようになるみたいです。」
「(……なるほど。)」
とはいえ、聞いておかねばならないこともある。
「(近くに人がいない場所に転生?したみたいだが街はどこにある?)」
「それなら心配しなくて大丈夫です。ここを少し降りてから歩くと河があるので、それに沿って行けば人間の国があるみたいです。」
近くに街どころか国があるようだ。
最初の目標はその国に行くことにしよう。
「(距離的にはどれくらい?)」
「希さんの世界で言うと2キロメートルくらいですよ。」
よかった、徒歩でもどうにかなりそうな距離だ。
それじゃあ、異世界人の国に行きましょうか。