絶対なる数字
体は元通りになっているように見えた。
「(体感では2時間くらい前に死んでるんだよな……。)」
辺りは草原で人影さえない。
晴れ渡る空に優しくなでる風。
どうやら生前の世界と違う場所にいるのは本当らしい。
「(とりあえず、女神様と話をしてみるか。女神に対しての言葉を思い浮かべる……ってどうやればいいんだ?!)」
「(もしもし、女神さん? 聞こえますか?)」
「はい、聞こえてますよ。」
頭の中に声が木霊する。
「(どうやらこれで話ができるみたいだな……。気になっていたが、異世界の言語はどうやって知ればいい?)」
「もちろん、あなたが一から学ぶ必要があります。」
「(おいおい、どうしよう。これでは、一つの世界を救うどころか、会話をするのに年単位の時間がかかりそうだ。)」
「ですが、転生前の質問でも聞いていたので、私が翻訳して伝えることにします。……って、あれ?」
「(どうしたんです?)」
「この世界線を作った神が物好きだったようです。『ステータスオープン』と念じれば、あなたの状態を教えてくれるそうです。」
「(……『ステータスオープン』。)」
頭の中に声が響く。
名前 希
種族 人間
体力 50
STR 5
DEF 3
INT 8
AGL 3
LUK 3
……なんなんだ、これは。