光の試練
傷だらけの顔で笑みを浮かべる。
そうさ、できるところまで行ってやるさ。
決心したからか、体の震えは止まっていた。
呼吸も整っていた。
「……次は龍の胴体か。」
鏡が区切っていた部屋へと進む。
しかしどうも様子が変だ。
視線の先には紫色の霧がはっている。
尻尾からここまで、いくらか入り組んではいるが、振り返れば彼方まで見えるようなものだった。
しかし、ここからは1メートル先も見えない。
濃霧、それも度し難いほどの。
しかし、回り道があるはずもない。
龍の根源へと至るには、ここを通るしかない。
「この濃霧……、視界はもちろんだが。」
息をする。
「やはり有害か。」
腐ったベリーみたいなにおいがする。
思わず手で鼻を隠す。
何だろう、オレンジや葡萄のような、とにかく、果物の腐敗臭がする。
新鮮なにおいをかいだ後にくる腐敗臭がより気分を害する。
しかし、歩みを止める理由にはならない。
「体に有害なだけなら、大したことはないな。」
これまでの苦難、苦悩、そういったものと比べれば、優しいほうだ。
「ガスがたまってるということは、ここは龍の腹の中か??」
足からようやく、消化器の中に入ったのだろうか。
もちろん、これが腸にたまっている気体という保証はどこにもない。
何より、龍の体からは瘴気が出ていたということ……、この霧も、瘴気である可能性が高い、と思う。
「(でも、推測は無意味なんだよな……。)」
見えない道を踏みしめて、先に進む。
「(ん……??)」
開けた場所に出た。
しかし、それは両側の壁が広がっているのが見える、という意味で、やはり視界は悪いままだった。
視界の先から何かが光っているのが見える。




