表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/100

浸食

体から力が抜ける。

戦闘は、戦いは、終わったのだ。

その場に倒れこみ、動くことができない。

アイツが何かを落としたのに、手に取る距離まで動くことができない。

這うようにして、移動する。


「これは……?!」


手に取ると、金属の様な、冷たい音が鳴った。


世界線のようなモノが三つあった。

アイツは言っていた。

これらは世界線の影だと。


しかし、俺の持っている世界線は二つだ。

アイツ自分オレを名乗っていた。

ならば、逆説的に、俺は三つの世界線を持っているはずじゃないのか……??

光あるところに影があり、正極には負極がある。

善悪、正負、光陰、対になるものは、番を見つけて、初めて対になるのではないか。


「ん……っ?!」


しかし、考えてみるとおかしなことばかりだ。

回収した世界線は、女神たる少女……、ラスエルが持っていくはずだ。


「何故、俺の手に二つの世界線が……っ?!」


息を吐く。


気が付くと、もろ手の浸食は肘まで来ていた。

哺乳類の柔肌を龍族の外骨格が覆っていく。

この浸食、歪みが全身にまで到達したのなら……。

俺はどうなってしまうのだろうか。

残された時間は多くはない。


「(しかし……。)」


大丈夫なのだろうか。

初戦でこれほどの消耗。

良くも悪くも予想外のことが起こる。

しかしそれも……。


「……考えるだけ無駄、か。」


ここは自分おまえの知る世界ではないのだからな……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ