表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/100

尋問

裁判は徹底的な魔女狩りと言っていいだろう。

到着するとすぐに判決が下された。


「汝を異民侵略罪として、有罪とする。」


つまり、俺を除く、傍聴席の人、教皇、そして衛兵などもすでにいた。

これは有罪にするためだけの裁判だ。

異論も挟ませない、そういうことだ。

牢獄にぶち込まれる羽目になった。


「(ここまでは想定内……っと。)」


迫害された種族をかばうとこうなるのも仕方ないというものか。


「(ただ……。)」


ここに来るまで、衛兵に言われたことが気にかかる。


「この後どうなるか、知っているのか?」

「……。」

「そうか……。」


口を開けば処罰されかねない。

話はしなかった。


「……出ろ。」


さっきの衛兵だ。

手錠に鎖、四肢の自由を奪われたまま、連れていかれる。

別室につくと、そこには鉄の塊があった。


「(おいおい、これって……。)」


アイアンメイデン……古くは拷問器具だった。


「(なぜ前の世界の物がここに……?)」


もちろん、それ以外の物もあった。

ガラスのような針、水晶玉、文字のようなものが刻まれた石……。

結局俺は、椅子に座らされることになった。


「これより、尋問を行う。」

「……。」


下手なことは言えないな。

と言うより、手順がおかしくないか?

有罪判決が下されたのちに『尋問』……?


「これより、『規定』を言ふ。」

「『尋問規定』……一に、質問には答えよ。二に、偽証すべからず。三に、これらを神に誓え。」

「……以上、汝、これを守るか?」


形式ばった言葉を使いやがって。

お前が右手に持ってるものは何だ。

まるでペンチじゃないか。


「誓う……されど、神ではなく……。」

「!?」


衛兵の顔が変わった。


「人民に誓ふ。」


この『拷問』を切り抜けるのが、目下の目的か。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ