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ギルド設立につき

眼を覚ますと、窓からの木漏れ日が部屋に射している。


「(朝か……。)」


抜けきった力を体に戻すようにして起きる。

朝は着替えてから、階段を下りる。

そして朝食だ。


「……おはようございます、のぞみさん。こちら本日の朝食です。」


いつもどおりのゴアだ。

いつもどおりの受付をしているゴアだ。


ピュイの実とホワイトネック。

いつもの朝食だ……。

そう……。

……いつもの。


朝食を食べながら、昨夜のことを思い出す。


「……ただし、条件がある。」

「希さんッ?!」

「条件……ですか……。」

「ああ、まずは……。」

「……かまいません。」

「まだ何も要求してないぞ。」

「……かまいません。私達に協力していただけるなら、どんな条件でも飲みます。」

「……飲まなきゃ、嘘だ。」


どうやら覚悟は決まっているようだ。

獣人たちはやはり選択の余地はない……といったところか。


「……ただし、仲間を裏切ることはできません。ですので……。」

「私一人で、できる事にしてください!」


なるほど。

獣人を集めていたのだから、率いるのもゴアの役目になりそうだ。

統率者リーダーとしての資質も悪くない。

覚悟も十二分じゅうにぶんにある。


「ゴア……。」


話を聞いていたイデが近づいてきた。


「希さん、私も協力します!ですから、その条件を言ってください!」


ゴアはいい仲間を持ったのだな。


「しかしあんた、なかなかやるな。」

「条件も聞かずにそれを飲むってんだから。」

「体でも要求されてたらどうするつもりだったんだ?」

「えっ……。」


ゴアが赤くなる。


「希さんッ!」


イデに怒られる。


「怒るなよ。……もし組織ギルドが設立することができたら、その証人は何ができるかを教えてほしい。」

「……そうですね、まず、組織ギルドはある分野の技術や職人を独占するために作られますので、もし組織ギルドの設立が認められれば、多くの分野に顔が利きます。」


いつもの声色こわいろだが、まだ顔が赤い。


「というのも、私達が作るのは獣人ギルドですので、いわゆる職業ギルドではありませんから。」

「なるほど。」

「後は、ギルドの証人はその組織が何をしているかを委員会に報告する義務があります。」

「ですが……。」

『その義務と引き換えに、証人には王族に訴状そじょうを届け出る権利があります。』


朝食を食べ終え、白い衣を着る。

今日も仕事だ。


「それじゃあ、いってくる。」

「……はい。」


とはいえ、今日は仕事終わりにやめることを報告するつもりだ。

組織ギルドの証人になるから。

どうやら給料などはゴアが手配してくれる模様。


「(とはいえ、2日目で仕事やめるのは大丈夫だろうか……。)」


仕事場に向かい、ピュイの実を運ぶ。

そして、退職の意思を伝える。

特に何もいわれなかった。

人族ひとぞくの特権なのだろうか。

そして夕方、イデのいる店に行く。

文字が読めないので、『イデのいる店』としか表現できない。

その店で、今日は獣人たちに説明する。

僕がギルドの証人なのだと。


扉を開けると、そこには見たこともない数の獣人が……ッ!

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