24/100
雲間から輝く
「こ……、これは……?」
脚を振るわせ、涙を流しながらもその表情は晴れやかであった。
「ゴ、ゴア……?」
「……言ったでしょう、進んで誰かを傷つけるような方ではないと。」
「というと、この方を……?」
「……そうです、私はそう考えています。」
二人だけで話が進んでいるようだ。
話の内容がよくわからない。
「大丈夫ですか?」
涙は吹き終わった。
「はいっ!ありがとうございます!」
「ごゆっくりどうぞ!」
快活饒舌、天真爛漫、雲間から射したような笑顔であった。
「……いい店員じゃないか。」
自然と顔も綻ぶ。
「元気な人を見ると、元気が出るようだ……。」
さて、ちょうど料理も運ばれてきたし、食べようか。
そんなことを考え、ふと見上げるとゴアも笑っていた。
「……本当に面白い方……。」
「何か言いましたか?」
「いえいえ。」
「とはいえ、獣人の待遇は本当に酷いのかもしれませんね。」
言ってから気づく。
発言の危うさを。
「すいません、俺みたいなのが、こんなこと言って……。」
「いえいえ。」




