表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/100

日常にて

13歳にして人の側面を見てきてしまった『僕』は夕方の四つ角で血飛沫ちしぶきをあげた。

今日、『僕』は死んだ……。




時計が鳴っている。

しきりに時計が鳴っている。

窓から射す朝日に照らされ、アルミのようなボディを鈍く光らせ、振動を続ける時計……。

布団に顔を突っ込んだまま無造作に音源のほうを叩く。

外した。

間違えて、近くの壁を殴ってしまった。

諦めて眠い顔をあげ、目覚まし時計を止める。

部屋には日が射している。


「もう朝か……。」


重い体を動かしながら、支度をする。

制服に着替え、トーストとカフェオレをテーブルに並べる。

テレビでニュース番組を見る。

8割は頭に入ってこない。


眠いまま学校に行き、特に何もなく終わる。

校門で先生に朝の挨拶をし、一時間目を受けた後、次の授業を保健室で過ごす。

そのあとは15分だけ出席して、10分はトイレに行く。

給食の後に50分間眠り、帰る支度をする。

隣の席の女子は頬を染めながらこちらをチラチラ見てくるし、取り巻きっぽい男どもは熱視線を送ってくる。

こんな家と学校の往復の果てに何があるのか……。


「徒歩通学できる距離なのはいいんだけど……。」

独り言もむなしく夕暮れ、道路と影が曖昧あいまいだ。

家での勉強のためにカフェオレと甘いものでも買っていこうかな。

近くにコンビニがあったはずだ。

コンビニで缶コーヒーとたい焼きを買っていく。

レジまで運んで、会計をすます。

今思えば、あの店員も店と家の往復をする人生を送っているのだろうか。

とりとめもないことを考えながら、帰路へく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ