愛しい手紙
貴方が旅立たれてどれくらいになるのでしょうか。
何も言わずに突然いなくなるのは貴方の悪い癖です。
元気でやっていますか?
ちゃんとご飯は食べていますか?
貴方はおっちょこちょいだからとても心配です。
こんな事を言うと貴方は顔を真っ赤にして怒るのでしょうね。
そういえば!貴方が旅立って直ぐ、孫が産まれたのよ?
玉のように可愛くて…抱いてあげるとニコニコと笑ってくれるの。その笑顔を見るとね、心があったまって…
貴方…見れなくて残念ね。
実はね。私もそろそろ旅に出ようと思うの。
貴方が何処にいるのかは私には分からないわ。でもいつか絶対に見つけてみせる。そしたらまた一緒にお店をやりましょう?思い返して見るとね、あの時間が人生で一番楽しかったって思うの。
店番をしながら八百屋のみちよちゃんと長話して貴方に怒られたり。そういう貴方も魚屋の上田さんと直ぐに店前で喧嘩して。こっちは大迷惑だったのよ?…もう
色々思い出すとなんだかとても胸が締め付けられるの。何ででしょうね。
もう歳みたい。文字を書いていると疲れちゃった…
最後に。あんまり他の女性の尻追っかけたりしたら駄目よ?貴方…美人には目がないんだから。
じゃあまたね。
天国にいる愛する貴方へ。
貴方が愛する美人の私より。