人生偏差値
保は受験がつらくてたまらないのである
「あー、もう人生やりなおしたい!!」
いや、せめてあの時ああすれば、こうすれば・・
などといろんな事を思い出していた時のことだ
ガガガガガ!!
空から神様が雲のマシンに乗って降りてきた
「お前がほしいのはコレか!」
タイムマシンだ!!
「タイムマシンで戻って過去の自分に会っても仕方ないでしょ?
受験問題なんてわからないんだし、教えたって理解できないでしょ?」
神様は怒った!!
「人からもらったラクダに文句をつけるなっていう諺を忘れたかーっ!」
そういって指を差してきた
「ドーーーーン!!」
ビカビカビカーッ!!
「うわあああああっ!」
回転しながら奈落の底に落ちた気がした
目が覚めると、なんとタモツは小学3年生に戻っていた!!
「うおおおおおっ!!」
これで人生がやり直せる!!
さっそくタモツは女子中学生に抱きついて「かわいー!」とか言われて楽しんでいたが
物足りなくなってきたので高校の近くまで行って女子高生相手に楽しんだ
これも物足りなくなってきた
「よーし!大学へ行って迷子になってやるぞー!」
女子大に入り込んで迷子になったふりをしていると
女子大生がやってきて「どちたのボクー?」と面倒をみてくれるので
タモツは泣きながらさりげなく色んなエロい所をいっぱい触りまくった
はっとした
「しまったオレはこんなことをしに来たんじゃない!」
家に帰って勉強しなくちゃ!!
帰ってみるとしかし、問題集は小学生レベルのものだった
親に頼んでみたものの「何いってんの?」と相手にされなかった
「高校生になってからでいいじゃない」
高校生になってからでは遅いんだ!と力説したがダメだった
今更小3の計算ドリルをやっても仕方がない
「ちくしょーーーっ!意味がなかったーーーーっ!!」
タモツは真剣に悔しかった
するとまた神様が降りてきた
ガガガガガ・・・
「どうじゃ?」
「神様すいませんでした」
タモツは謝った
「なんだか納得しておらんようじゃの?」
「いえ、もういいです」
「いーや、お前はまだ納得しとらん!」
「いやもういいですって!元の世界に帰らせて下さい」
「ダメだな」
神様はまた指を差してきた
「ドーーーーーーン!!」
ビカビカビカー!!
「うわあああああ・・・っ」
またもぐるぐると奈落の底に沈むかと思いきや
「なんだここは?」
神様の声が聞こえる
「お前の母親の母体内じゃ」
「なんだってえええ!?赤ん坊からやりなおせってか!?」
「ふおっ、ふおっ、ふおっ、記憶は消さないでおくぞ」
「それならチャンスはある、生まれつきの天才少年として大学受験用問題集を
買ってもらえるかもしれない!」
「おぎゃーっ!!」
この子にはタモツと名付けよう
よっしゃ!とりあえず慣れた名前のほうがいいからな
バブバブ、マ・マー!
「まぁ、この子ったら、パパ!もうこんな計算ができるのよ!」
「これは凄い!」
タモツは小学1年生になった
地域では有名な天才少年だ
「パパ、もっと難しい問題集がほしいよー!」
寝たふりしながら寝言で言ってみた
「ねぇパパ、買ってあげてもいいかしら?」
「ダメだ、このままでは周りと上手くやっていけない人間になってしまう、
しっかりと小学生らしい勉強をさせるんだ」
「そ・・そんな・・」
「神様ー、これダメっすよ、なんでかなぁ?
これじゃいつまでも偏差値あがんないっすよ」
「ふおっ、ふおっ、ふおっ、よーし、ならば自由に何度でも
どこにでも生まれ変わる能力を授けてやるから存分に試すが良い!!」
「もういいですよお・・」
「ドーーーーン!!」
「おうタモツ、結局この時代に戻ったか?」
タモツは勉強の手を止めた
「あっ、神様、お久しぶりっす・・
といっても一番最初の出会いから全く時間が進行してないんですが」
「まぁそういうことだ」
タモツはわかったことを神様に報告した
1000回人生をやり直してみたが800回はだいたい同じ人生が現れたのだ
これはつまり何度生まれ変わろうが、時間を戻そうが、
親が生まれ変わらないかぎり初期条件が変わらないのであるから
何度人生を繰り返そうがだいたい同じような結果になるということである
「時々変わった人生が現れることがあるんですが、それにしたって
結局時間が経つと元の人生に戻ってしまう」
「元の人生とは?」
「偏差値50の人生ですよ、つまり1000回繰り返して800回現れる人生」
「エロエロを楽しめたんじゃないのか?」
「いやぁそれも1日だけっすよ、毎日迷ってたらさすがに怪しまれます、
あちこち出没しようにもチビっ子の体力じゃ移動も大変だ」
「今の人生は偏差値いくつくらいだ?」
「いくつくらいでしょうね?仮に親の人生が変わったところで、
親の親の人生が変わらなければ初期条件はやっぱりそのままだから、
もう宇宙の始まりまで戻るしかありません、つまり・・」
「考えても仕方ないってことか?」
神様はニヤニヤしている
「まったく神様にはかないませんね」
タモツもニヤッとした
ガガガガガ!
神様は去っていった
タモツは勉強を再開した