11ー3 『かぐや姫は餅が好き?』後編
かぐや姫「あ〜、今日もお餅がおいひいわぁ〜。空気もおいしい」
おじいさん「かぐや姫や、お前はなぜそんなになるまで餅を食うのじゃ?」
かぐや姫「だって、おいしいんだもんっ」
おばあさん「そんなんじゃ、せっかくの縁談もなかったことになってしまうて。電気もインターネットもない時代でよかったものの、この姿が拡散されたのでは永遠に縁談が来なくなってしまう」
かたり「そうです。かぐや姫はお餅が好きで、たくさん食べ過ぎて太ってしまったのでした。それでもこの姿を拡散されない時代ですので、事実を知らない者たちが我先にと縁談話を持ち寄ってくるのです」
おじいさん「わしゃ、早まったかの? 竹の中から産まれた赤ん坊だから、てっきりか弱い乙女に育つと思ったのじゃがの」
おばあさん「おじいさんのせいばかりではありませんよ。どこからかかぐや姫のお餅好きだけが広まって、色々なところからお餅をもらうようになってしまったから、歯止めが効かないのじゃ」
おじいさん「こうなったら、月に返すか?」
おばあさん「そうしましょうか、おじいさん。少なくともこのままじゃあ、いつ床が踏み抜かれるか分かったものじゃないでな」
かたり「ところが月の精霊も、今のかぐや姫を見て困惑してしまいました。実はかぐや姫は月でダイエットを失敗してしまったため、地球にいる間にやせなければ月に戻れないのです」
かぐや姫「ああ、今日もお餅がおいしいわぁ〜」
おじいさん「おばあさんや、餅をどこかに隠すか捨ててしまいなさい」
おばあさん「それはもうやりました。それでもかぐや姫は恐るべき嗅覚でお餅を探し出してしまうのです」
おじいさん「ああ、なんてことだ」
かたり「育ての親の二人がどんなに嘆いたとしても、かぐや姫はお餅を食べるのを辞めてくれません。そしてその勢いはお雑煮からのお汁粉へまで変貌を遂げて、もう歯止めがききません」
かぐや姫「おっほほほっ。お餅うまぁ〜」
かたり「こうしてかぐや姫は、嫁ぐことも、月に帰ることもなく、楽しくお餅を平らげながらしあわせに暮らしましたとさ。めでたしめでたし」
〘閉幕ブザーの音〙
これにて二月公演『かぐや姫は餅が好き?』は終了しました。皆様、お足元にお気をつけてお帰りください。
つづく




