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11ー2 『かぐや姫は餅が好き?』前編

 皆様、ようこそ劇場部にお越しくださいました。部長の甲斐野(かいの) いち()です。


 二月公演は、『かぐや姫は餅が好き?』をお送りします。最後までごゆっくりお楽しみください。


〘開幕ブザーの音〙


かぐや姫……甲斐野 いち花


おじいさん……音澤(おとざわ) 陽稀(はるき)


おばあさん……春夏冬(あきなし) (れん)


かたり……椋木(くらき) (なぎ)


かたり「昔々、働き者のおじいさんは光り輝く竹を見つけました。おじいさんが竹を切ると、中から小さな女の赤ん坊が居ました」


おじいさん「ややっ。こんなところに赤ん坊が。この子は天の神様がわしにあたえてくれた姫なのじゃろう。さあさ、今日からうちで一緒に暮らそうな」


かたり「家に帰ると、おばあさんは赤ん坊を見て目を丸くします」


おばあさん「おやまぁ、おじいさん。どこの女に産ませた子どもだい?」


おじいさん「そうじゃのうて。この子は竹の中から産まれたかぐや姫じゃ。今日からわしらの子として育てようぞ」


おばあさん「それを信じていいものかねぇ? まぁいいわ。どこの馬の骨に産ませた赤子だろうと、赤ん坊は赤ん坊だからね。しっかり成長させて、金持ちの殿様に嫁いでもらいましょうぞ」


かたり「そんなおばあさんの言葉すら、おじいさんには皮肉とも思わず、殿様か。ほれ、殿様に嫁がせるぞと息巻いていました。最初こそやんちゃな女の子でしたが、年とともにおしとやかに育ち、それはそれは美しい女性へと成長してゆきました」


かぐや姫「おじいさんったら、また縁談の話を持ち込んできたわ。どう断ろうか、いつも困ってしまうの」


おばあさん「育ててもらった恩を返したいのなら、殿様と婚姻して欲しいさね」


かぐや姫「おばあさんまで。わたしは結婚するための道具なの? ……それはそうと。そろそろお餅が焼けてきたわね」


かたり「かぐや姫は、七輪に焼き網を置いて、その上で餅を焼くのが日課となっていました。そのせいで、かぐや姫の体重はみるみる増えてゆきます」


かぐや姫「あ〜、おいし〜い。でも不思議。わたしと対面した殿方は、みんな縁談の話をなかったことにしてくれ、って言うのよね」


 後編につづく



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