1ー5 『ロミオとジュリエット』後編
〘ジュリエット教会でばあやに下がるよううながす〙
ジュリエット「神父様、わたしはどうすればいいのですか? 父もばあやもわたしに結婚するようすすめます。このままでは気がおかしくなってしまいそう。いっそ、死んでしまいたい」
神父「そなたごそこまで思いつめているとは知らなかった。そこまでの覚悟がおありなら、わたくしの策に乗ってみませんか?」
ジュリエット「策? どんなことでもいい。教えてください」
神父「この薬を飲みなさい。たちまち深い眠りに落ちて、三日ほど仮死状態になる。ロミオにはわたくしから伝えておくから、三日後目が覚めたら、二人は新天地に旅立つといいでしょう」
ジュリエット「ありがとうございます、神父様。わたし、その薬を飲みますわ」
※
〘キャピュレット家。ばあやがさがり、ジュリエットは薬瓶を持っている」
ジュリエット「なんだか怖いわ。でも、飲むことに決めたのっ」
〘薬を飲むジュリエット。すぐに寝入ってしまう〙
※
ばあや「ジュリエット様、お嬢様!? あらやだ、こんなに熟睡している……。ひぃぃっ。息をしていないわっ」
ジュリエットの母「ばあやどうしたの? 朝からそんなに……。ジュリエット? ああ、どうして? わたしの可愛いジュリエットが死んでしまったわ」
〘泣き崩れるジュリエットの母。ジュリエットの父〙
ジュリエットの父「なんてことだ。花粉症で死ぬようなことがあるのか!?(作者注意・アレルギーで命を落とすこともあります。お気をつけください)」
〘結婚式の準備から葬儀の準備へと変わる。喪服のキャピュレット家の人たちに見送られ、ジュリエットは熟睡した状態で霊廟に安置される〙
ロミオ「やけに胸騒ぎがする。ぼくが帰ってきてしまったことが原因なのだろうか? ……待て、街の様子がおかしい」
街人「ああ、なんとおいたわしい。ジュリエット様!! 花粉症で死んでしまうなんて」
ロミオ「ジュリエットが死んだ? そうだ、霊廟へ行ってみよう」
〘ロミオが霊廟に行くと、パリスが酔いつぶれて寝てしまっている〙
ロミオ「おお、ジュリエット。まだ息をしているように感じるのに。そうだ、あやしい薬局で手に入れたこの薬を飲み干してみよう。ジュリエットとおなじ場所に行けるかもしれない」
〘ロミオ、薬を飲み干しジュリエットの胸へと倒れ伏す。ジュリエット目を覚ます〙
ジュリエット「まぁ、ロミオったら。こんなにすぐ近くに……? ロミオ!? まるでさっきのわたしのよう。ねぇ、まだ薬が余っているのではなくて?」
〘ジュリエットがロミオの衣服をまさぐると、神父にもらったのとおなじ薬品が出てくる。ジュリエット飲む。倒れ伏す二人〙
神父「どうも胸が騒ぐ。……これはっ!? パリス伯爵が酔いつぶれ、ロミオとジュリエットがあの薬を飲んで爆睡しているではないか。しかも、いびきまでかいて。両家が喧嘩するのも馬鹿馬鹿しくなってきた。さぁ、キャピュレットとモンタギュー。お互いに手をつなぐのだ」
〘キャピュレットとモンタギュー、渋々手をつなぐ〙
〘閉幕ブザーの音〙
これを持ちまして、劇場部演出『ロミオとジュリエット』は閉幕となります。みなさま、お足元にお気をつけてお帰りください。
つづく




