7ー3 『赤ずきんは赤い靴を履きたい衝動を抑えきれない』中編
かたり「さてさて、お望み通り、黒いゴスロリ服に赤いピンヒールを履いた赤ずきんちゃんは、妖精が仕組んだ舞踏会に行くことになりました。本来ならばここでファンシーな馬車などを用意することになるのでしょうが、それですら妖精の自腹ですので仕方なく彼女をお城の前までワープさせてしまいました」
赤ずきん「うわぁ。なんだか楽しそう。赤いピンヒールはまだ慣れないけど、すっごく可愛いしお気に入り。あとは適当に踊ればいいのね?」
かたり「あんなに面倒くさがっていたのに、いそいそと城の中に入った赤ずきんちゃんは、人の多さに驚き、また自分よりずっと年上なのに、誰一人赤ずきんちゃんより背の高い女性がいないことにまた驚きます」
赤ずきん「やっぱり来ない方がよかったかな? でも、せっかくだからお菓子とか食べてから帰ろうっと」
かたり「赤ずきんちゃんがあまいお菓子に目を移しているところに、王子がやって来ます」
王子「なんと美しいんだ。ぼくと踊ってくれませんか?」
赤ずきん「いいけど。うまく踊れるかわからないわよ?」
かたり「そうして踊ること数秒。赤ずきんちゃんの足は止まるどころか少しも休みなく動きつづけます」
王子「おお、なんと肉感的な踊り方をするのだ。どれ、少し本性をさらして見せようぞ」
赤ずきん「王子って言うけど、なんか変な感じ。もしかしてこの人、オオカミなんじゃないの?」
オオカミ王子「あ、先に言われた。我はオオカミ族の獣人である王子ぞよ」
赤ずきん「ぞよって、なんだかなぁ。あの妖精、わたしをオオカミのパーティーに放り込んだわけね。ゆるさないんだから」
オオカミ王子「どれ娘さんよ。一口、たった一口でいいからおまえの肉をかじらせてくれだえよ」
赤ずきん「嫌だよぉ〜だっ。なぁんでオオカミに食われなくちゃいけないのよ?」
オオカミ王子「だが我はもう、おまえのばあさんを食ってしまった後だからな」
赤ずきん「なんですって。するともう、口うるさいおばあさんは死んでしまったのね。一応悲しそうな顔でもしておこっかな?」
オオカミ王子「いや、まだ消化されてない」
赤ずきん「それならこうだっ!!」
かたり「赤ずきんちゃんは、オオカミが腰から刺す短剣を抜き取って、その腹を斬り裂いてしまいました」
後編へつづく




