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1ー3 『ロミオとジュリエット』前編

 みな様、ようこそわが劇場部へ。


 部長の甲斐野(かいの) いち()です。本日の演目は

ウィリアム・シェイクスピア作 『ロミオとジュリエット』。演出は椋木(くらき) (なぎ)がおこなっております。


    〘登場人物〙


ロミオ役:椋木 凪


ジュリエット役:甲斐野 いち花


ばあや及びティボルト、パリス役:音澤(おとざわ) 陽稀(はるき)


神父及びマーキューシオ:春夏冬(あきなし) (れん)



「大変長らくお待たせいたしました。本日はお集まりの上まことにありがとうございます。原題『ロミオとジュリエット』。ただいま開演致します」


〘開演ブザーの音〙


ロミオ「ああ、なんて悩ましいんだ」


ベンヴォーリオ「どうしたんだ、ロミオ。ため息ばかりついて」


ロミオ「実は俺、尼に恋をしてしまったのだ」


ベンヴォーリオ「さながら恋敵は神父ってところか?」


ロミオ「ああ。悩ましくてため息ばかりさ」


ベンヴォーリオ「それなら、気晴らしにパーティーに行こうぜ」


ロミオ「気乗りしない。そんな気分じゃないんだ」


〘場面転換 仮面舞踏会〙


ジュリエット「パーティーなんて気が乗らないわ。ばあや、お願いだからわたしの側を離れないでいてね」


ばあや「それはかまいませんがお嬢様。今夜はパリス伯爵も参ります。どうかそのことをお忘れくださりますな?」


〘ジュリエット お面をつけて踊る〙


ジュリエット「ああ、気が重い。あら?」


ロミオ「踊ってくれませんか?」


〘二人 踊る。目と目があい、微笑み合う〙


ジュリエット「ばあや、あの素敵な人は誰?」


乳母「彼は辞めておきなさい。彼こそは、モンタギュー家のロミオよ」


〘ショックを受けるジュリエット〙


 ※


〘夜になり、バルコニーでジュリエットがいる〙


ジュリエット「おお、ロミオ、ロミオ、ロミオ。あなたの名前はなぜロミオなの? あなたがその名を捨てるなら、わたしはあなたにすべてをさしあげるのに」


ロミオ「おおジュリエット。我が天使。その言葉が本当ならば、ぼくは今すぐモンタギューの名を捨て、ロミオさえも捨てよう」


ジュリエット「そんな意地悪おっしゃらないで。わたしの言葉はあなたのもの。そう、すでにわたしの気持ちはすべて知られてしまったのだもの」


ロミオ「結婚しよう? 明日、教会で待ってる」


ジュリエット「ええ、必ず行くわ」


ぱあや「お嬢様! ジュリエット様!!」


ジュリエット「はぁい!! 今行くわ、ばあや。さようならロミオ。明日が待ち遠しいわ」


 幕。前編終了。後編につづく

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