4ー3 『虹の向こうへ』中編
〘ひたすら歩くドロシーたち一行〙
トト「お腹すいたなぁ。ドロシー、ご飯が食べたい」
ドロシー「わたしもお腹がすいたわ。でもわたし、この世界のお金を持っていないのよ」
カカシ「それならぼくが」
〘カカシ、手の上に金貨を出す手品をする〙
カカシ「どうです? これでみんなで食事ができます」
ドロシー「あなたすごいわっ!!」
ライオン「それならぼくだって、獲物の一つや二つ」
ドロシー「それはやめておきましょうよ。なんだか血なまぐさいわ」
ブリキ「俺はブリキだから、焼き芋程度のものしか出してあげられないよ」
ドロシー「あら、焼き芋? おいしいわよね。あらそう。でも、食堂がないじゃない?」
カカシ「だったらエメラルドシティに行きましょうよ。ここよりずっと都会だから、食堂はありますよ」
ブリキ「それまで待てなかったら焼き芋をどうぞ」
ドロシー「ありがとう。そうしてみるわ。ええと、靴を鳴らせばワープできるのよね。せぇ〜のっ」
〘ドロシー、靴のかかとを鳴らせる。と、エメラルドシティにたどり着いた〙
ドロシー「わぁ。お祭りみたい。ずいぶんとにぎやかな場所ね」
ライオン「ぼくはなんだか肩身が狭いなぁ」
トト「大丈夫! 俺の仲間だってことにすれば、犬だと思われるよ」
カカシ「ポジティブだなぁ。ぼくも見習おう」
ドロシー「あ、あれ美味しそう」
〘しばし買い食いする一行。そこに悪い魔女があらわれる〙
悪い魔女「ほっほっ。買い食いなんかしてる悪い子は、永遠に鏡の中に閉じ込めてしまうよ」
ドロシー「なんか言った?」
〘ドロシー、悪い魔女の存在に気づかないで、からい食べ物を頬ばる〙
ドロシー「かっらぁ。水水!!」
〘ドロシーがコップを持つと、ブリキに跳ね上げられて水が悪い魔女にかかってしまう〙
悪い魔女「ちょっ。出番これだけぇ〜」
〘いい魔女あらわれる〙
いい魔女「ドロシー、よくやっつけてくれました。お礼を言います」
ドロシー「買い食い楽しい。カンザスに居た頃にはこんなに楽しいことなんてなかったもの」
いい魔女「ドロシー? あの、聞いてます?」
ドロシー「ここならトトとおしゃべりしてても変な子だって言われないし。もうずっとここに住んでいたいわ」
いい魔女「それ、本当なの? ドロシー。あなた、カンザスに帰りたいのではなくて?」
ドロシー「あら、いい魔女。今言ったことは本当よ。わたし、もうカンザスには帰らないわ。ここに住んでもいいでしょう? ねぇ? だってわたし、悪い魔女をやっつけた英雄だもの」
トト「こうして、一行はいつまでもおもしろおかしく暮らしましたとさ。めでたし、めでたし」
本当にこれでいいの?




