4ー2 『虹の向こうへ』前編
皆様、本日はお足をお運びくださり、まことにありがとうございます。劇場部部長の甲斐野 いち花です。
今回の七月公演では『オズの魔法使い』をモチーフとした『虹の向こうで』をお披露目いたします。どうぞ最後までごゆっくりお楽しみください。
〘開演ブザーの音〙
✿出演者
ドロシー……甲斐野 いち花
トト……春夏冬 蓮
ライオンおよびブリキおよびいい魔女……椋木 凪
カカシおよび悪い魔女……音澤 陽稀
ドロシー「トト。勝手に暴れちゃダメじゃない。またおじさんたちに文句言われちゃうわ」
トト「そんなこと言われても、ドロシーがいつも叱られてるのを見てるから、かたきをとってやりたくなるんだよ」
ドロシー「それはありがたいけれど。結局わたしが悪いことになっちゃうのよ。……ねぇ、二人でどこか遠いところまで行きたいわね。あの虹の向こう側に行けたらとてもしあわせになれるのに」
〘ドロシー、歌う〙
ドロシー「あれは!? 竜巻だわ。おいでトト、早く家の中に入らなくちゃ」
トト「ちょっと待ってくれよ。ぼくだって必死なんだからさ」
〘ドロシーとトトが家の中に入ると、竜巻に飲み込まれてしまう〙
〘ドロシー、目覚めるも美しい世界に降り立ったことに気がついた〙
ドロシー「ここはどこ? ああ、わたしたちのお家がぺしゃんこだわ」
トト「どうやら別の世界に飛ばされちまったらしいぜ」
ドロシー「カンザスに帰って、宿題をやらなくちゃ。またおばさんにどやされてしまうわ」
トト「だがどうやってカンザスに帰るつもりなんだ?」
いい魔女「お待ちなさいな」
ドロシー「あなたはだあれ?」
いい魔女「わたしは魔女よ。あなたにお願いがあるの、ドロシー。どうか悪い魔女をやっつけてくれないかしら?」
ドロシー「悪い魔女? そんなの怖いわ。あなたが倒せばいいのに」
いい魔女「そうね。だけど、それはできないの。魔女同士の戦いは、魔法協会で禁じられているから。そこであなた、ドロシーにたのみたいの」
ドロシー「わたしだって、どうやって戦えばいいのかわからないわ。それに、悪い魔女なんて怖いもの。ねぇ、トト」
トト「そうだよ。あんたいい魔女なんだろう? ドロシーは誰かを傷つけることなんてできないんだぜ」
いい魔女「そう。でももし、あなたが悪い魔女をやっつけてくれたら、あなたののぞみを一つだけ叶えてあげるわ。それでもイヤ?」
ドロシー「のぞみ? わたしののぞみはカンザスに帰ることよ」
いい魔女「だったらそれを叶えてあける。そしてあなたの仲間にライオンとブリキ、それにカカシを仲間に加えてあげる。ねぇ、もう怖くはないでしょう?」
ドロシー「わかった。やってみる。でももし、ダメだったらどうなるの?」
いい魔女「この世界が消えてしまうことになるわ。そしてわたしたちは残らず消えてしまう。それはイヤでしょう?」
ドロシー「うん。イヤ」
いい魔女「最後に一つだけあなたにプレゼントがあるの」
〘いい魔女はドロシーの靴をルビー色に変えてしまう」
いい魔女「その靴でどこへても行けるようになったわ」
ドロシー「わぁ、きれい。ありがとう」
〘ドロシー、トトとライオンとブリキ、それにカカシをつれて旅に出る〙
中編につづきます。




