3ー3 『ウサギとカメ、時々カチカチ山』中編
語り「三者がそろってスタートすると、案の定カメが出遅れました」
カメ「たきぎが重くてなかなか前に進めないや」
語り「先頭はタヌキです。ウサギはタヌキの後ろで火打ち石を打ち鳴らします」
タヌキ「おやおや? なんだかおかしな音がするぞ」
語り「タヌキは振り向きますが、たきぎが邪魔で見えません。そのうちに、火打ち石から火が出て、タヌキのたきぎを燃やしてしまいました」
タヌキ「熱い、熱い!! まったく、ひどいめにあったよ」
語り「さて、たきぎに火をつけたウサギは、自分が犯人じゃないとばかりに大股で後ろまで走ってゴール付近まで戻ります」
ウサギ「おや? のろまのカメさんは今日ものろまだな。ふぁ。なんだか眠いや」
語り「こうしてウサギは深い眠りに入ってゆくのでした。さて、一方でタヌキはと言うと、背負っていたたきぎを放り投げて、試合放棄しようとしていたところを人間に言いくるめられて、背中に激辛ハバネロ入りの薬を塗られてしまいます」
タヌキ「おやおや? なんだかとてもヒリヒリする。それに、とてもからいんだ」
こうしてタヌキが難儀をしている間に、ようやくカメが追いつきました。
タヌキ「くそう。ここまで来て負けてたまるかよ」
語り「タヌキはまんまと泥船を選びました。川の中ほどで溶けた泥により、タヌキは川に落ちてしまいました」
タヌキ「うわっ。背中がしみるっ」
語り「タヌキは泳ぎますが、背中のやけどがしみて岸にたどり着き、試合放棄してしまいました。失格となったタヌキは、人間たちから罰としてお尻を百回叩かれてしまいました」
タヌキ「いててててて。もう悪さはしません。ごめんなさい」
語り「そこでようやくウサギが目を覚まします」
ウサギ「はっ。これはいけない。全速前進!!」
語り「目覚めたウサギは全力で走り始めました。しかし、カメはもうゴール寸前です。しかし、ここでウサギがある行動に移ります」
後編へつづきます。




