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3ー1 ウサギかカメの競争

 イソップ寓話でのあらすじでは、『ウサギとカメ』のあらすじはざっとこうだ。


 カメはいつもウサギにのろまだと馬鹿にされている。それを悔しいと思っていたカメは、ある時カウサギに長距離走を申し出た。


 この勝負でウサギに勝ち、その鼻をへし折る作戦だ。


 はたしてウサギはすぐに昼寝を始めて、カメのことなど気にしていなかった。


 ところが、だ。ウサギが目を覚ました時にはカメはすでにゴールしていた、というわけだ。


 カチカチ山よりは平和的だよね〜。ってタヌキ出てこないし。あれはあれでウサギがいいところ持っていっちゃうし。


 そんなわけでわたし、お昼のパンを買いに購買に並んでるの。


 今日はどうしても焼きそばパンが食べたいんだぁ〜!!


 と、そこへ見知ったのっぽの男の子を発見。


 でも、おかしいなぁ。陽稀って彼女にお弁当を作ってもらってるんじゃなかったっけ?


「陽稀〜!!」


 手を挙げると、陽稀がわたしの存在に気づいてくれた。


「よう、いち花。今日はパン食べる日?」

「そう。今日はどうしても焼きそばパンが食べたいの。って、お弁当はどうしたのさ?」


 ん〜、と陽稀が苦虫を噛み潰したみたいにむずかしい顔をして言った。


「あかねちゃんの弁当だけじゃたりなくてさ。コロッケパンとメロンパンとフルーツサンド買いに来た。んで、部室で食べることにしてる」


 なるほど。こんなところ、あかねちゃんに見つかりたくないもんね。それにしてもやっぱり男子は食欲がブラックホールなんだね。聞いただけで胃もたれしそう。


「あかねちゃんといっしょに食べなくてもいいの?」

「うん。実ははさっきわかれを告げられたばかりなので、もろもろ嘘ついた」


 おいっ。親友に嘘つくなよぉ〜。


「んじゃあお弁当はもらえなかったんだ?」

「うん。あかねちゃん、五月公演の『悲劇のヒロインの恋』観てから妙にいち花のことを気にしててさ。ただの友だちだよって言ってるのに、結局三行半告げられた」

「あ〜。ねぇ〜。わたしが相手じゃかなわないってことに気づいたわけだ?」


 まったく。いい女は敵を作りやすいよね。ふっふっふっ。わたしって罪な女。


「ある意味ではいち花にはかなわないだろうな。自意識過剰」

「ひっどい!! こういう時は女の子に花を持たせるべきなんだぞっ」

「はいはい。そういうわけだから、今度の日曜いっしょに映画観に行かない?」

「はぁ? なに言ってるのかな? 軽くあしらっておいて、断られることを予測してない時点で陽稀の方が自意識過剰だよ」


 わかったから、と言って陽稀はわたしの手のうえに焼きそばパンをのせた。やった。


 そそくさと会計を済ませると、部室に向かって歩いて行く。


「映画、いっしょしてもいいよ。ただし、なにを観るかはわたしに決めさせて。あともろもろの失礼として映画代は出して」

「彼女でもそこまでずうずうしくないけど?」

「はいはい。たのしく生きるためには妥協しないのよ、わたしは」


 自販機でコーヒー牛乳を買うと、にやっと笑った。


「しかたないな。いいよ。どっちにしても俺が映画代出す予定だったし。で? なに観る?」

「まだわかんない。『国宝』ってまだやってるのかな?」


 観たいなぁってずっと思ってたから、今しかない。もうさ、役者さん神がかってるらしいし、最低でも一回は観ておきたいのよ。ブルーレイ出たら買うし。


 そこで、部室の前に到着した。


 さて、次はお芝居パートへとつづく。

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