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2ー5 オリジナル劇『悲劇のヒロインの恋』後編

〘幕があがる。イチカ、泥だらけの制服を前に呆然としている〙


イチカ「体育の授業の後に、わたしの制服だけが泥だらけになっていた。先生には報告したけど、昨日の妖精のせいでおかしなことになっているんじゃないかしら?」


〘たまたま通りがかったハルキ、イチカに声をかける〙


ハルキ「イチカ。どうした? 暗い顔して」


イチカ「え? ううん、なんでもないの」


〘イチカ、制服を後ろに隠す〙


イチカ「それよりら変なこと聞いてもいい?」


ハルキ「変なこと? なんだ?」


イチカ「そのっ。最近変わったものを見なかった? 人間でも動物でもないのに背中に羽根が生えてる……」


ハルキ「どうした? まさか妖精だとでも言うのか? やっぱり熱があるんじゃないか、イチカ」


イチカ「ううん、そんなんじゃないから。ほら、チャイムが鳴った。行って」


ハルキ「ああ。またな」


〘手を挙げて颯爽と去って行くハルキを見守るイチカ〙


イチカ「こんなこと、誰にも言えないよね。妖精の願いを拒んだせいで、ひどい目にあわされた、なんて」


〘午後の授業。体操服で授業を受けるイチカを教師が睨む〙


イチカ「はい、先生。あの。ちょっと制服が汚れてしまったので。はい、明日は必ず制服を着ます。ごめんなさい」


〘イチカ、教師にあやまり、席に着く〙


イチカ「まったく。どうしてわたしがこんな目にあわされなくちゃいけないの? こんなことならハルキみたいに妖精なんて見えなかったフリをしておけばよかった」


〘放課後、女子生徒に手を引かれて歩くハルキと遭遇〙


女子生徒「あ、イチカ先輩。こんにちは。くすっ。制服はどうしたんですか?」


イチカ「まさか、この子が? そんな……。でも、どうして?」


〘さりげなくイチカの耳元で女子生徒がささやく〙


女子生徒「いい気味。あたしのハルキ先輩と親しくしているからバチが当たったのよ。ちなみにあたしは妖精の願いを聞いてあげたわ。だからハルキ先輩があなたを好きになることはないの。ハルキ先輩はあたしのもの。永遠にね」


イチカ「なんですって?」


女子生徒「それじゃ、イチカ先輩、さようならぁ〜」


〘道化師登場〙


道化「さぁて、ここに来たる皆様は、この話のどこがハッピーエンドなんだってお思いでしょう。ええ、劇はこれで終わりです。そして皆様は思うわけです。この劇の真のヒロインは、名もなき女子生徒だということを。さて、ぽくの出番もこれで終わり。さようなら、皆様」


〘道化師退場。幕が下りる〙


 これにて、オリジナル劇『悲劇のヒロインの恋』はこれにて終了となります。お足元にお気をつけの上、お帰りください。


〘閉演ブザーの音〙


     つづく

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