表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/12

2ー4 オリジナル劇『悲劇のヒロインの恋』中編

〘喪失感におそわれたまま、自宅へ向かうイチカの前に、不思議な光がきらめく〙


妖精「うわっ。うわわわぁ〜!?」


〘妖精、アスファルトに尻もちをつく〙


イチカ「大丈夫ですか?」


妖精「え?」


イチカ「だって、いきなり転ぶから。救急車呼びましょうか?」


妖精「きゅーきゅーしゃってなぁに?」


イチカ「具合が悪いわけじゃないの?」


妖精「大丈夫だよ。ただ、飛ぶのにまだ慣れてなくって。えへっ」


イチカ「かわいい。あなた、名前は?」


妖精「名前なんてないよ。人間はぼくたちを見てこう言うかな、妖精って」


イチカ「へぇ〜? 妖精って、本当にいるんだ?」


妖精「そうだ、きみ、ぼくの願いを叶えて欲しいんだけど、ダメかなぁ?」


イチカ「願いって言われても。その願いによっては、力になれないかもしれないけど。あたし、イチカ。イチカ。わかる?」


妖精「イチカかぁ。きみ、可愛くてやさしいんだね。ぼく、きみのこと大好きになっちゃった」


イチカ「妖精に好かれてもなぁ。あ、うれしいわよ。好きだなんて言われたことは。でも、本当に好きな人の一番好きにはなれないのよね」


妖精「ぼくじゃダメ?」


イチカ「ダメってわけじゃないけど。残念ながらわたしの一番はあなたじゃないの。ごめんなさい」


妖精「いいよ。じゃあ、ぼくの願いを叶えてくれたら、きみが一番好きな人と両想いにしてあげるよ」


イチカ「本当? そんなことができるのる」


妖精「できるよ。だって妖精だもの」


イチカ「妖精ってすごいのね。わかったわ。あなたの願いを叶えてあげる」


妖精「やったぁ。ありがとう、イチカ」


イチカ「それで、そのお願いとはどんなことかしら?」


妖精「あのねっ。ハルキって男の子をひどい目にあわせて欲しいんだ。


イチカ「ハルキ? まさにわたしが一番好きな人なのに、ひどい目にあわせなくちゃいけないの? どうしてそんなことを願うの?」


妖精「だって、ハルキに意地悪されたんだ。ぼくの姿が見えていたはずなのに、知らんぷりしちゃってさ。だから、ちょっとだけひどい目にあわせてやりたいんだけど、残念ながらぼくにはそういうことはできないんだ。マイナスオーラを身にまとうと、悪魔に魂を奪われてしまうからさ」


イチカ「マイナスオーラって。今のわたしのことじゃないの。だから、やっぱりあなたのお願いは聞き届けられないわ。ごめんなさい。だってわたし、好きな人をひどい目にあわせることなんてできないもの」


妖精「ハルキはイチカにひどいことをしたのに?」


イチカ「あなたまさか、さっきのやり取りを見ていたの? だとしたらなおさら、そんなお願いは取り下げて欲しい」


妖精「……イチカも意地悪なの? ぼく、ぼくはイチカのことも嫌いになるんだぞ。それなのに、イチカはハルキを選ぶんだな。わかった、もういい。さようなら、イチカ」


〘妖精退場。幕下りる〙


 中編終了 後編につづく



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ