第9話01ボクシングと剣
皆さんこんにちは、Dr. Crock です。これから3日間、ちょっと用事があるので更新をお休みするかもしれません。 ただし、更新は3日後に再開されますので、ご安心ください
空中決戦:疾風と泥の舞
「それじゃあ——行くぞ!」
ニックスが疾風のごとく駆け出した。足元の大地を力強く蹴り、一直線に死泥鬼へと突進する。その瞬間、死泥鬼の指先がわずかに動いた——次の瞬間、鋭利な泥の尖刺が無数に飛び出し、ニックスの進路を遮るように襲いかかる!
「チッ……!」
しかし、ニックスの動きはそれをも上回る速さだった。目にも止まらぬ剣捌きで尖刺を弾き、軽やかにステップを踏みながら死泥鬼の間合いへと入り込んだ。
「ほう……!さっきよりも速くなっているのか。君たち、確かに強くなったな!」
死泥鬼は興奮したように嗤いながら、ニックスの動きを見極めるようにじりじりと後退する。
ニックスはそのまま雷光のごとき速度で距離を詰め、剣を振り下ろした。
——だが、その刹那。
死泥鬼は両手を広げると、その間に泥を集束させ、瞬時に楕円形のシールドを作り出した!
「っ……!」
ニックスの剣がシールドに叩きつけられるが、衝撃は吸収され、刃が泥の中に食い込むだけだった。
「だったら……これならどうだ!」
背後からフィードが瞬間移動し、死泥鬼の左側へと現れた。
死泥鬼はすぐに対応し、左手を地面に叩きつける!
その衝撃で地面の泥が瞬時に形を変え、鋭い槍のような尖刺へと変貌し、フィードを突き刺そうと襲いかかる!
「チッ……!」
フィードは素早く反応し、空中へと跳び上がって攻撃を回避。
だが、死泥鬼はさらに動く。
「——遅い!」
彼は跳躍し、両手の間にドス黒い泥を圧縮させていく。その塊は徐々に膨らみ、ついにはテーブルほどの巨大な泥球へと変化した。
「くらえ!」
死泥鬼はそれを地面へと投げつける!
「まずい……!」
ニックスとフィードは瞬時に危機を察知し、反射的に高く跳び上がる。
——ドンッッ!!!
泥球が地面に激突した刹那、それは爆発し、無数の鋭いセメント手裏剣が四方八方に飛び散った!
「ぐっ……!」
二人は空中で身を翻しながら手裏剣の雨を避け、着地のタイミングを計る。しかし、死泥鬼はその隙を見逃さない。
彼は空中で両手をかざし、瞬時に新たな足場を泥で作り出した。
「——ようこそ。」
死泥鬼は不敵な笑みを浮かべ、その足場の上に静かに降り立つ。
「だったら、こっちも行くしかねぇな!」
ニックスとフィードも迷うことなくその足場へ跳び込む。
こうして、空中での決戦が始まった。
——剣が唸り、魔法が爆ぜ、泥の防御が砕ける。
疾風のような攻撃、泥の如きしなやかな防御、雷鳴のごときぶつかり合い——
三者の戦いは、まるで空中で踊る舞踏のように、激しく、美しく、そして苛烈に展開されていった。




