表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10万pv突破しました!!!【每日更新】史上最強の幽霊剣士  作者: Doctor Crocodile


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

904/1146

第55話 07 極限を超える影舞




---


ニックスは両手に双刀を握りしめ、二刀流の構えで突撃した。左右の刀が交互に振るわれ、鋭い軌跡を空間に刻みつける。その速さは先ほどまでとは比べものにならず、斬撃は疾風のごとく連なり、イリラは一瞬、押し込まれて防ぎきれないと感じた。


「いくら速くなったところで無駄だ。」イリラは嘲るように笑みを浮かべるが、その眼差しには焦りが滲む。

「お前が速くなれば、私のコピーした攻撃も速くなる。しかも、お前には分からないだろう?どの方向から襲いかかるかをな。」


その言葉を証明するかのように、ニックスの背後に幻影が現れる。しかし彼は素早く腰をひねり、蟹のように横へ滑り込み、左手の刀で防御、右手の刀で切り込む。見事に攻撃を受け流し、さらに体を回転させて別の角度から突きを放つ。刃は蛇のように鋭く迫り、受け止められてもなお止まらない。彼は陀螺のように回転し、連続攻撃を繰り出す。その執拗さと速度は、嵐のようにイリラを襲った。


「くっ……!」イリラは全身の力を込めて、ニックスを弾き飛ばす。


だが、その速さは留まらない。むしろ加速するかのように、刀光はさらに鋭くなっていく。次の瞬間、イリラの頭上に王冠が浮かび上がった。しかしそれは不完全な王冠――半分だけの、欠けた王冠だった。魔力に満ちた輝きもなく、王者が放つべき威圧感もない。まるで形だけの幻影にすぎなかった。


ニックスはそれを目にし、驚きの色を浮かべる。

「……こんな王冠は、今まで見たことがない。」

確かに速さは増していた。だが“王”が持つはずの圧倒的な重圧は存在しない。


その口元に、薄い笑みが浮かぶ。


「何を笑っている?刀を一本増やしただけじゃないか。」イリラが吐き捨てる。


「そうだな。」ニックスは淡々と頷く。

「だが……これで俺は限界に達したはずだろう?」


イリラは冷酷な笑みを深めた。

「そうだ。お前はもう限界だ。傷ついた身体も、鈍り始めた反応も、長くはもたない。」


だがニックスは首を横に振り、その眼差しを鋭く突き刺した。

「違うな。勘違いしている。」声は低く、だが鋼のように揺るがない。

「俺が言った“限界”とは……俺のことじゃない。お前の限界だ。お前の防御は、もう崩壊の一歩手前なんだ。」


彼の瞳が鋭く光り、冷徹に言葉を続ける。

「二刀程度だろう?しかもお前の攻撃の規則はすでに見抜いた。左目と右目の切り替え、確かに俺が観察した通りだ。攻撃方向が変わるだけ……それだけだ。」


そう言うと、ニックスは懐から小さな薬を取り出し、迷うことなく口に放り込む。

瞬間、全身を駆け巡る魔力は爆発的に膨れ上がり、凄まじい気配が迸る。

「……一粒しか飲めない。さもなければ、命を落とす。」彼は呟いた。


その刹那――ニックスの背後に、幽鬼の鎧が現れる。そこから二対の腕が生まれ、それぞれの手に鋭い剣を握った。彼自身の二刀と合わせて、合計四本の剣が一斉に輝きを放つ。


紫の魔力は炎のように燃え盛り、やがて幽鬼の姿を象り、背後に浮かび上がった。それは歪んだ顔を形作り、最後には大笑いする不気味な面影となり、戦場を覆い尽くす。


ニックスの両目に紫焔が宿り、その気迫は空間を震わせた。

「――さあ、俺の“極限”を超える速さに……ついてこられるか!」



---



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ