表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10万pv突破しました!!!【每日更新】史上最強の幽霊剣士  作者: Doctor Crocodile


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

862/1128

第53話 02 覚醒せしフィード




---


エレメントが笑い声を上げたその瞬間、何かがおかしいと気づいた。フィードの体を打ち抜いたはずの拳は、奇妙な金色の輝きに弾かれていた。「これは……何の防御だ?」と、エレメントが戸惑う間に、フィードの体がまるで蝶が繭を破るように変化していく。


元の身体は石像と化し、その中から本物のフィードが脱出したかのように現れる。彼の全身は大地のような黄土色の金光に包まれ、頭上には岩石でできた王冠が輝いていた。それは、“王のモード”が発動された証。


フィードは両腕を広げ、身体をかすめる風を感じる。今の彼には、全能の力が宿っているかのようだった。体内からは魔力が怒涛のようにあふれ出し、今にも爆発しそうな勢いを放っている。


「速度も力も、さっきとはまるで別物……これが、“王のモード”か。」フィードは静かに感嘆の言葉を漏らした。


その姿を見たエレメントは、気を失って倒れているニクスを一瞥もせず、フィードを見据える。「まさか今日、王が二人も見られるとはな……最高だ。さあ、殺し合おうじゃないか!」


フィードは一言も発することなく、瞬間移動でエレメントの目の前へと現れた。そして彼の腹部を狙い、足を振り上げようとしたが、膝をエレメントの手でがっちりと押さえ込まれてしまう。


「なるほど、速度は確かに速くなったな……だが、力はまだ大したことないようだ。」


そう思った次の瞬間、エレメントの考えは覆された。


「……誰が全力だと言った?」


フィードの口元がわずかに歪むと、拘束されていなかった左足が地面を激しく蹴り抜いた。床は音を立てて崩れ、大きな穴が開き、二人の身体はそのまま落下していった。


エレメントは落下の勢いを利用してフィードをさらに深い闇の底へと突き飛ばす。そしてその反動を利用し、自らは安全圏へと跳び退いた。


だが、フィードは空中で囚われることなく、まるで空気の上を歩くかのように、塵ほどの粒子を足場にして、空中を駆け上がっていく。


「こいつ……空気の上を歩いている? いや、違う。空中の微細な塵を踏んでいるんだ。なんという筋肉制御力だ……!」


そうして、フィードはエレメントの真上に躍り出た。


「来るな……この一撃の衝撃を、感じ取れる……!」


フィードの声は低く、地の底から響くように唸った。


「星を砕け!」



---




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ