表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10万pv突破しました!!!【每日更新】史上最強の幽霊剣士  作者: Doctor Crocodile


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

860/1129

第52話 最終章 同じ場面で、同じように無力だった




---


なかなかの戦術だった。

土塊でできた森林──突如として大地の下から、次々と無数の樹木がせり上がる。土の魔力によって創り出されたものだ。ニクスは何が起きたのか理解する間もなく、突如として吹き飛ばされた。


「四重元素魔法か……まさか、ここまでとはな」


エレメントはそう呟きながら、ニクスの左腕をがっちりと掴み、そして容赦なく左へとねじった。

ニックスの身を守っていた幽霊の鎧が、鋭い音を立てて瞬時に砕け散る。振りほどこうとするも、腕はエレメントの鋼のような握力にしっかりと固定され、逃れることができない。


次の瞬間、エレメントの拳が、心臓を狙って一直線に突き出された。ニックスはとっさに胸元に円形の防御シールドを展開。

だが、その拳は鎧の中心を正確に打ち抜き、衝撃波が波のように広がる。それはまるで荒れ狂う海がぶつかるかのような衝突で、炎と雷のエネルギーが激しく弾け飛ぶ。

さらに水の奔流がそこへ追い打ちをかけ、ついに鎧を粉砕した。


三種の属性による怒涛の連撃がニックスの胸に叩き込まれ、致命の一撃を受けたニックスは、血を吐き出しながら、砕ける骨の音と共に吹き飛ばされ、後ろの大樹に激突した。


それでもエレメントの表情にはまだ不安が残る。

完全に仕留めるため、彼は浮かせた岩を操作して、ニックスを地中に埋めようとする。

その刹那──フィードが駆けつけ、エレメントの右腕を見事にロックした。


「まだ立てるのかよ……!」


だが、次の瞬間にはエレメントの拳が唸りを上げ、フィードは地面に叩きつけられる。

それでも彼は再び立ち上がり、ニックスに止めを刺そうとしたエレメントの腰を掴み、渾身の背負い投げで投げ飛ばした。


「お前ってやつは……本当にしつこいな!!」


苛立ちをあらわにしたエレメントは、蔓植物を操りフィードの身体を地面に縛りつけると、その胸の上にまたがり、左右から容赦なく拳を振るった。

何発も、何発も。

フィードの顔面に重く響く拳。視界がだんだんと黒く染まっていく。


「……この感覚……どこかで……」


懐かしさに包まれたように、彼の記憶がふと過去へと繋がった。

「ああ、そうだ……小学生の時だ……」


――忘れていた、幼き日の記憶が静かに蘇った。



---




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ