表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10万pv突破しました!!!【每日更新】史上最強の幽霊剣士  作者: Doctor Crocodile


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

846/1139

第52話 04 弧を描く成長の物語

ニックスとリードは検査地点に到着した。湿った森の匂いが辺りに漂い、足元の枯葉がかすかに音を立てる。

「つまり、結界札が損傷していないか確認すればいいんだな?」ニックスが周囲を見渡す。

「うん、たしか……もう少し左に行けば……ほら、ここに――あれ?」

リードは立ち止まり、目の前の何もない大木を見上げ、眉をひそめた。「おかしいな、どうしてないんだ?」


「場所を間違えたんじゃないか?」ニックスが訝しげに問う。

「そんなはずはない……考えられるのは一つだけ――魔物に破壊されたんだ。」


その言葉と同時に、辺り一帯に息苦しいほどの魔力が湧き上がり、無数の敵意が闇の中で目覚めたかのようだった。ニックスとリードは視線を交わし、瞬時に警戒態勢に入る。

「ニックス、俺の後ろへ!」リードは片手で大剣を掲げ、緊迫した声を上げた。「お前は怪我が治っていない。全力を出せないんだろう? ここは俺に――」


「大丈夫、ここは僕がやる。」

ニックスは一歩前に出て、淡い笑みを浮かべながら、不思議なほど落ち着いた声で答えた。


「でも、お前の傷が――」

「心配いらない。この程度の敵なら……幽霊王を使うまでもない。」


言い終えるや否や、猟犬のような魔物が影の中から飛びかかり、鋭い牙がニックスの喉元を狙った。しかし、その爪は空を切り、まるで空気を掴んだかのようにすり抜けた。ニックスの姿がふっと揺らぎ、次の瞬間、冷たい銀光が走り――魔物は真っ二つに斬り裂かれた。


「幽霊化だよ。」

彼は低く呟き、剣先を周囲に次々と姿を現す魔物の群れへと向ける。


瞬間、ニックスの姿が残像となって消え、影が闇の中を駆け抜ける。刀光が閃くたび、魔物の体は細切れとなり、舞い散る血飛沫が空に紅の弧を描く。彼は敵の群れの中を舞うように駆け、冷たい死の円舞曲を奏でていった。


やがて夜空に鮮烈な紅光が走り、ニックスは足を止めた。熱風が渦巻き、久しぶりの圧迫感が胸を満たす。

「おお……これは懐かしい顔だな。」ニックスは天を仰ぎ、マグマに包まれた炎の巨鳥を見据えた。「この世界に来たばかりの頃、最初に出会った強敵じゃないか。」


剣を握る手に力がこもり、瞳に戦意が宿る。「さあ、今の俺の力を見せてやろう。」


火焰鳥は耳をつんざくような叫びを上げ、燃え盛る翼を広げて突撃してきた。

「――円舞曲!」


空中で二つの影が交差する。瞬間、火焰鳥の身体は燃え散る破片となって地に落ち、ニックスは無傷のまま大地に着地した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ