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第8話01出発する! 新しい明日へ

二日目の朝、旅立ちの時——


朝日が静かに村を照らし、黄金の光が家々の屋根や木々の葉に降り注いでいた。澄み渡る空には一片の雲もなく、風は心地よく肌を撫でる。そんな穏やかな朝の空気を胸いっぱいに吸い込みながら、ニックスは静かに帽子を外し、机の上にそっと置いた。


「いつか必ず戻ってくる——」


そう心の中で誓いながら、扉を押し開けた。木の扉が軋む音が静寂の中に響く。眩しい光が差し込み、暖かな太陽が彼の顔を照らした。


「今日は本当にいい天気だな……まるで旅立ちを祝福してくれているみたいだ。」


ニックスはそう呟きながら、家の前に立ち、深く息を吐いた。


大冒険が待っているかもしれない。道中には見たことのない野生動物がいるかもしれない。想像するだけで胸が高鳴る。でも——無事に旅ができるのが一番だな。


彼は軽く首を振り、気持ちを落ち着かせると、階段を下りて村の門へと向かった。


村の門前


村の門口にたどり着くと、数人の村人が彼を待っていた。そこには、仲の良いモコとリーダの姿もあった。


「ニックス、もう行くんだね。」


ふわりとした茶色の髪を揺らしながら、夢子が寂しそうに言った。


「うん、クルンダルに向かうよ。」


ニックスはしっかりとした声で答えた。


「おお、クルンダルか!あそこは活気に満ちた街だよ。お土産を期待してるからね!……それから、まだ私に借りてるお金のことも忘れないでよ?」


夢子は冗談めかしながら、ニヤリと笑った。


「はは、分かったよ。ちゃんと覚えてるって、モコさん。」


ニックスも笑いながら答える。


「それと……気をつけてね、ニックス。」


リーダが心配そうに言った。


「ありがとう、リーダ。」


彼がそう返そうとしたとき、リーダが思い出したように言った。


「あっ、忘れるところだった!チャーリーがこれを渡すように言ってたよ。」


そう言って、彼女は小さな符を差し出した。ニックスは不思議そうに受け取る。


「これは……?」


「伝送符だよ。」


「伝送符?」


「そう。これは緊急時に使うと、一瞬で特定の場所に移動できる符だ。道中で困ったときに使うといい。」


「なるほど……ありがとう、助かるよ。」


ニックスは伝送符をしっかりと握りしめ、深く感謝の意を込めて頷いた。そして最後にもう一度、みんなに別れを告げると、クルンダルへ向けて力強く歩き出した。


朝日が彼の背中を照らし、旅の始まりを祝福するかのように大地を温かく染めていた。



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