表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10万pv突破しました!!!【每日更新】史上最強の幽霊剣士  作者: Doctor Crocodile


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

790/1128

第49話 02 「まもなく始まる、村の記念祭」



---


「リードたちはどうしてる?今でもチームのままかな?」

ニックスはふと夜の街を見やりながら、懐かしそうに尋ねた。


「もちろんよ、あの子たちはずっと一緒。」

ムコは優しく笑って答えた。

「あなたが戻ってきたって知ったら、きっとすごく驚くわよ。でも今は任務中だから、たぶん明日にならないと帰ってこないと思う。今夜はもう遅いし、まずはゆっくり休みましょ。」


彼女は小さくあくびをして、疲れを隠さずに肩をすくめた。

「明日になったら、あなたの冒険の話をたくさん聞かせてあげて。きっとみんな夢中で聞くと思うわ。」


そして、眉間に皺を寄せながら続けた。

「私も、今この時間をちゃんと大切にしなきゃね。病院の仕事がどれだけ忙しいか、あなたには想像もつかないと思うわよ。ここ三日間、まともに眠れてないの。夜中に急な呼び出しばっかりで……でも、今日は何も起きないといいな。今のうちに帰って、少しでもぐっすり眠りたい。話の続きは明日にしましょう。」


ムコはそう言って笑い、最後にぽつりと付け加えた。

「そうそう、もし村長に会いたいなら、今も家にいるわよ。」


「ありがとう。」

ニックスは感謝の気持ちを込めて軽く会釈した。


夜の静寂に包まれた村は、灯りがぽつぽつとともり、まるで星のように暖かい光を道に落としていた。ニックスは慣れ親しんだ石畳の道を歩きながら、胸に込み上げてくる懐かしさを噛みしめていた。


「この村、やっぱり小さいな。でも……小さいからこそ、おもしろいことがたくさん詰まってるんだ。」


彼は懐からあの小さな身分証の徽章を取り出し、そっと握りしめた。

「これを村長に返さないとな。すぐに戻ってくるから、待たなくていいよ。」


木の家の前に立ち、軽くノックする。


「どうぞ。」

中から聞こえてきたのは、落ち着いた年配の声だった。


「村長、僕です。」

ニックスが扉を開けて入ると、新聞を読んでいた村長が顔を上げた。


「ああ、君か、少年。」

村長は穏やかな笑みを浮かべ、新聞をテーブルに置いた。

「さっき外が騒がしかったから、何かあったのかと思ってたが……なるほど、君が帰ってきたのか。」


彼はニクスの姿をじっと見つめながら、優しい声で続けた。

「王都が襲撃されたって話を聞いたよ。君も巻き込まれたんだろう?ここでゆっくり休むといい。本当にお疲れさまだ。」


「いえ、それほどでもないです。」

ニックスは穏やかに微笑んだ。

「むしろ、いろんな仲間と出会えましたし、師匠もできました。」


「そうか、それは何よりだ。」

村長の目元がさらに和らぐ。

「いいことは続くもんだな。しかも君が帰ってきたタイミングが絶妙だ。ちょうど数日後に、村の記念祭があるんだよ。王都ほど派手ではないけれど、きっと楽しいはずさ。楽しみにしててくれ。」


「それはちょうどいいですね、少し羽を伸ばせそうです。」

ニックスはあくびをかみ殺しながら立ち上がる。

「そろそろ眠くなってきました。もし何かあったら、明日また声をかけてください。」


「うむ、ゆっくり休むといい。」

村長は穏やかに頷きながら、再び椅子に腰を下ろした。



---




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ