第47話 04「究極の存在」
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竜のまぶたがゆっくりと閉じられた。まるで鉄のように分厚いその瞼は、まさに鎧のごとく、エイトの突きをいとも簡単に防ぎきった。次の瞬間――それが再び目を開けた瞬間、
嵐が爆ぜるかのごとく、瞳から解き放たれた衝撃波が炸裂し、エイトの全身を容赦なく吹き飛ばした!
「エイト!」ナイトの瞳孔が収縮し、躊躇なく手にした盾を投げ放つ。
盾は空中で安定した弧を描きながら飛び、まるで精密に設計された人工衛星のように滑らかに舞った。空中のアイトは身のこなしを整え、飛来する盾の表面に片足で踏み込み、その勢いを利用して再び地面へと跳躍。一方で盾は、反発の力で再び美しい放物線を描きながら、見事にナイトの手元へと戻っていった。まさに完璧な戦闘の協奏曲。
「来るぞ……今度こそ、本物だ!」ナイトは空気中に満ちる極限まで高まったエネルギーの波動を肌で感じ、顔色を変えて突進した。
竜がその巨大な口を開く。その深淵のような喉奥では、灼熱と暴威の魔力が凶暴に渦巻き、まるで噴火寸前の火山のように轟いていた。
「ここからは俺がやる!」サンディが即座に続く。指先から走るように細く繊細な金糸が紡がれ、瞬く間にナイトの盾に接続された。
その瞬間、盾は金色の光をまばゆく放ち始め、激しく膨張し、煌めく巨大な結界へと変貌した。光の壁は、背後のすべての兵士たちをしっかりと包み込んだ。
「防御——MAX!」ザックが奥歯を噛み締め、両腕を広げると、足元に魔法陣が浮かび上がり、盾の防御力がさらに強化され、目前に迫る暴発に備える。
次の瞬間――
竜の口から怒りに満ちたエネルギーがついに爆発した!
隕石が大地を砕くような光柱が、光の盾に轟然とぶつかる。光と炎が激しくぶつかり合い、凄まじい爆音が空間そのものを揺るがす。仲間たちは歯を食いしばり、常識を超えたその力に力を合わせて立ち向かう。光は盾の表面で激しく揺れ、今にも砕けそうにきらめき、ナイトは全身の力で必死に盾を支えていた。
「もう限界だ……!」ナイトが叫ぶ。
そのときだった――
影のように滑る俊敏な身影が閃き、フィードが竜の注意が逸れている一瞬を逃さず、その巨体の背後へ回り込み、山のように高い背に素早く跳び乗った。
「ぶっ潰れろ――! 超重量拳!!」
全身の力を右拳に集中し、隕鉄が地を撃つような一撃を竜の後頭部に叩き込む。
ドン!!
鈍い重音が戦場に響き渡る。しかし返ってきたのは、拳を貫くような激しい痛みだけだった。
「チッ……この鱗、硬すぎて拳が砕けそうだ!」
今回の一撃も竜に致命傷を与えることはできなかった。だが、確かにその注意をこちらへと引き寄せることには成功していた。
竜が低く唸り声を上げ、怒りが沸点に達する。巨体を荒れ狂うように揺らし始める。フィードは必死にその背の鱗にしがみつくが、漆黒の鱗は鏡のように滑らかで、摩擦など存在しない。指先には何の引っ掛かりもなく、徐々に体が滑り落ちていく。
「おい……ふざけんなよ……っ!」
その声が終わる前に、彼の身体はまるで布人形のように、竜の背から投げ落とされてしまった。
竜の巨大な口が大きく開かれ、日差しの中で冷たく光る牙がギラリと輝く。フィードを丸呑みにしようとしていた――
だが、その瞬間!
地面から無数の蔓が吹き荒れる風音と共に現れ、一斉に竜の首や口を絡め取った。その咆哮を封じるように、力強く縛りつける。
「うおおおおっ!!!」藤蔓が引き裂かれそうなほど強く緊張しながらも、なんとかその一咬みを遅らせた。
「今だ、下がれっ!」誰かが叫ぶ。
だが――
ほんの数秒の間に、竜は狂ったように咆哮し、身体を激しく揺らし始めた。束縛していた蔓は次々と千切れ、宙に吹き飛んでいった――
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