第45話 13 幻に隠された真実
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その運命の朝、セレーナは厳重に拘束され、大広間の中央に立たされていた。
周囲には白いローブとフードを身にまとった護衛たちが静かに佇み、サムランが最前列に立ち、口元で何かの数字を数えているようだった。
「今回の罪人はセレーナ。他者の魔力を吸収し、死に至らしめた。あなたはこの罪を受け入れますか?」
サムランの声は厳かで、広間に響き渡った。
セレーナは一言も発せず、沈黙を守った。
「この罪により、あなたには罰が与えられます。それは、永遠に逃れられない牢獄。神罰を開始する。」
周囲の白いローブの者たちが手を掲げ、魔法陣が現れ始めた。
徐々に白い牢獄が形成され、セレーナはその中心に閉じ込められた。
サムランの魔力が彼の体に集まり、「これで永遠に生き続けるがいい」と神秘的な微笑みを浮かべた。
紫色の円柱が牢獄全体を封印し、徐々に縮小して最終的には手のひらサイズの物体となった。
「神罰、終了。」
周囲の人々はざわめき、「あれが永遠に逃れられない牢獄か。中の者は時間の流れも飢えも感じず、まるで死んでいるようだ」と囁き合った。
サムランは周囲を見渡し、「これで終わりだ」と告げた。
誰もがセレーナが再び少年と会うことはないと思っていた。
少年自身もそう信じていた。
しかし、都市の誰もが見ない片隅で、ニックスは手に青く輝く水晶球を持っていた。
「まさか、これを再び使うことになるとは。幽霊の能力は本当に便利だな」と微笑んだ。
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