第45話 08 「二人よん色の想いが交差する」
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頭上の空に、まるで決意に呼応するかのように、淡い紫の光が突如として現れた。 王冠の輪郭が空気中にゆっくりと形を成し、運命の烙印のように、荘厳で神秘的にニックスの髪間に浮かんでいた。
彼は素早く一歩を踏み出し、馴染み深い剣の柄をしっかりと握りしめた。 その指の関節は力強く白くなっていた。
「絶対に……これ以上、君を好きにはさせない。 」
彼の声は低く、しかし確固たるもので、夜の帳を切り裂く一筋の光のように、揺るぎない意志がその瞳に燃えていた。
傍らにいたアイトはその様子を見て、思わず声を上げて制止した。
「ニクス、何をしているんだ!戻ってきて!君が守ろうとしているのは……。 」
「分かってる。 」
ニックスは振り返らず、しかしその声にはこれまでにないほどの確信が込められていた。
「でも、それがどうした?誰が彼らを悪だと決めつけたんだ? 」
彼の言葉は空気を震わせ、一言一言が重く、しかし優しさを失っていなかった。
「確かに、大多数の夢魔は破壊と混乱の象徴として存在している。 でも、僕は違う存在にも出会った。 善良で、優しく、ただ生き延びるために戦っている者たちに。 」
「もちろん、すべてを変えることはできないと分かっている。 大多数の彼らは確かに暴力と略奪に溺れている。 でも、それでも……。 」
ニックスは手にした剣をしっかりと握りしめ、その紫の輝きが彼の顔を照らし、少し頑固だが心を打つ表情を浮かべていた。
「僕は、目の前にある、守れるものを守りたい。 小さくても、確かな幸せを守りたいんだ。 」
彼の声は雷鳴のように空気に響き渡った。
「それが……間違っているのか? 」
サムランはその場に立ち尽くし、退くことを知らないその瞳を見つめ、目を細め、口元にわずかな笑みを浮かべた。
「ニックス君……君の言うことは間違っていない。 」
彼は淡々と語り、まるで事実を述べるかのようだった。
「でも、僕もただ職務を全うしているだけなんだ。 」
彼は手を挙げ、周囲を見渡し、穏やかながらも否定できない冷たさを帯びた声で言った。
「周りの人々を見てごらん。彼らの恐怖や動揺を、君の一言だけで拭い去ることができるのかい?すべての人を説得できるのかい?……だから、ここでやめておこう。 」
ニックスはそれを聞いて微笑み、冷静でありながらも抗えない冷厳さを漂わせていた。
「それなら、もう言葉は必要ないね。 」
そう言い終えると、サムランの指先が虚空をなぞり、空気が瞬時に凍りついたかのように、周囲に高密度の魔力のバリアが立ち上がり、彼とニクスの間の空間を完全に隔てた。
ニックスは深く息を吸い込み、両膝を曲げ、体を前傾させ、逆手で剣の柄を握りしめた。 その刀身には微かな光が震え、彼の確固たる眼差しが映し出されていた。
「……まずは試してみよう。幽霊剣法第三式・三人ソロダンス。 」
その言葉が終わるや否や、彼の姿が突然ぼやけ、まるで幻影が裂けるように、瞬時に三つの残像となり、それぞれ異なる方向へと猛然と突進した。
三人ソロダンス、剣の光が流星のように交錯し、実体と幻影の区別がつかない。
そして、結界の外では、エイトが必死に透明なバリアを叩きつけ、顔色を変え、声は完全に遮断されていたが、その叫びはかすかに魔法の空間を通して響いていた。
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