第7話05私の本当の力を見てください
激闘の果てに——
その壮絶な空中乱闘は、長くは続かなかった。
拳が閃き、炎と氷が空を裂くようにぶつかり合う。しかし、速度がどんどん上がるにつれ、二人の姿はもはや人の目には映らないほどの速さになっていった。
そして——決着の時が訪れる。
「終わりだ!!」
カニディが鋭く叫び、両腕を大きく広げる。
次の瞬間、彼は村長の身体を強引に抱え込んだ。
——ドォォォォン!!!!
突如として、圧倒的な爆発が戦場を襲った。
燃え盛る炎が天へと突き抜け、まるで巨大なミサイルが炸裂したかのような衝撃波が四方八方へと広がる。
衝撃の余波は遠く離れたニクスの元にまで届き、大地が揺れ、轟音が鳴り響く。
村長がこの一撃でどれほどのダメージを受けたのか——誰も想像すらできなかった。
「倒れろ、老頭!!」
カニディは勝利を確信し、獰猛な笑みを浮かべながら叫ぶ。
「倒れるべきは、お前だ。」
だが、炎と煙の中から、村長の静かで冷徹な声が響いた。
——ドゴォッ!!
村長の足が鋭く振り上げられ、カニディの腹部に突き刺さる。
カニディの身体は弾き飛ばされ、轟音とともに地面へと激突した。
「静かにしろ。」
村長の声は、氷のように冷たく、淡々としていた。
そして——
彼は躊躇うことなく、地上へと降り立つと怒涛の連続攻撃を繰り出した。
「無駄だ、無駄だ!!」
地面に倒れたカニディは、それでも狂気じみた笑みを浮かべる。
「どんなに凍らせても、俺はすぐに溶ける!!」
しかし——
村長は冷静に、まるで相手の絶叫すら取るに足らないもののように言い放つ。
「ただ、お前より速ければいいだけだ。」
——その言葉とともに、村長の拳がさらに加速する。
氷を纏った拳が次々と炸裂し、カニディの燃え盛る身体へと叩き込まれる。
カニディの炎の溶解速度が、村長の攻撃の速さに追いつかなくなった。
そして——
決定的な一撃が放たれる。
「はぁぁっ!!!」
村長の左拳が閃き、一撃でカニディの身体を空中へと吹き飛ばした。
——だが、それだけでは終わらない。
村長の右手が静かに動く。
掌の中で、小さな雪の結晶がゆっくりと形成される。
その結晶は、まるで小さな氷の刃のように鋭く、冷たく輝いていた。
「……凍れ。」
村長がその雪の結晶を指先から弾くと——
——シュバァァッ!!!
雪の結晶はまるで流星のような速さで、空を切り裂きながら飛んでいった。
そして——
「グッ……!!」
地面に落ちたカニディの胸元へ、正確に突き刺さる。
——次の瞬間、全てが静止した。
バキバキバキッ!!!
雪の結晶が触れた瞬間、強大な氷の魔法が発動。
燃え盛っていたはずのカニディの身体が、一瞬で氷の檻に閉ざされた。
彼の顔にはまだ驚愕の表情が残っていたが——
もはや動くことはなかった。
「——氷山。」
村長の冷静な声が、静寂の中に響いた。




