第7話04私は神になりました
その瞬間、轟音とともに凄まじい爆発が起こった。
灼熱の炎が天へと突き上がり、周囲の空気が揺れる。
燃え盛る火柱が戦場を紅蓮の世界へと染め上げ、焦げた土の匂いが立ち込める。爆発の余波が周囲を吹き飛ばし、砂煙が渦を巻く中——
「厄介だな……」
火花が舞い散る中、一つの影がゆっくりと動き出した。
カニディ——その全身が炎に包まれながら、堂々と前へ進み出る。
そして、次の瞬間——
「喰らえ!」
右ストレート——
カニディの拳が、まるで流星のような勢いで突き出される。
その一撃は狙い違わず村長の腹部に直撃!
——ドォン!!
拳から爆発的な火焔の衝撃波が放たれ、村長の身体を一瞬で包み込んだ。
炎が吹き荒れ、衝撃が周囲の地面を裂く。
だが、その中——
「……こんなにも、達してしまったのか?」
煙と塵の中から、村長の手が伸び、カニディの拳をしっかりと掴み取る。
村長の瞳には、微かに複雑な感情が浮かんでいた。
それは驚きか、あるいは……一抹の寂しさか。
「ああ、もう昔の俺じゃない。」
カニディの目は、勝利への渇望に満ちて輝いていた。
「俺は神だ。」
「神明——火精霊・神だ!」
「……若い者よ、驕るな。」
村長の声が低く響く。
その瞬間、村長の眼光が鋭くなり——
ズアァァァァ……!
突如として、彼の手から冷気が放たれた。
一瞬で周囲の温度が急激に下がり、空気が凍りつくような寒さが広がっていく。
「——凍結!」
——バキバキバキッ!!
凄まじい速度で氷の塊が生まれ、カニディの身体を瞬時に覆い尽くしていく。
次の瞬間——
カニディは完全に凍りついた。
村長は無駄な動きをせず、そのままカニディの腕を強く握り締める。
そして、一瞬の間を置き——
「おおおぉッ!!」
——豪快な過肩投げ!
ドガァァァン!!
カニディの氷像が、大地に叩きつけられる。
地面が砕け、深い亀裂が放射状に広がる。
しかし——
氷の塊にひびが入り——ゴゴゴゴ……!
——ボォッ!!
一瞬にして、カニディの炎が氷を焼き尽くした。
「甘いな……!!」
氷が砕けるや否や、カニディは力強く踏み込み、強烈な蹴りを村長の胸元へと叩き込む!
「——はっ!!」
ドシュッ!!
村長の身体が宙へと吹き飛ばされる。
だが、それだけでは終わらない。
——カニディも跳ぶ!!
二人の影が空中で交差し——
——空中乱闘が始まった!
拳と拳が激しくぶつかり合い、炎と氷が宙を舞う。
一撃ごとに衝撃波が生まれ、周囲の空気を震わせる。
まるで天を割るかのような壮絶な戦い。
地上から二人を見上げながら、ニックスは低く呟いた。
「……もうレベルが違いすぎる。」
拳が閃き、蹴りが火花を散らし、空が戦場となる。
「強すぎる……これは、もはや想像を超えている……!」




